「地域再生の進まない街」が抱える残念な特徴 気鋭の経済学者が日本経済復活のカギを語る

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飯田泰之氏との対談では、経済学者が考えがちな「地域再編論」で無視されている盲点に切り込んだ
東洋経済オンラインに集いし労働者・学生・市民諸君!「若き老害」こと常見陽平である!
実は私、4月から「加職」している。いしかわUIターン応援団長に就任したのだ。石川県に移住し、働きたいと思っている人を応援する仕事である。そんな私の目に留まったのが、明治大学准教授で経済学者、飯田泰之氏の最新作『地域再生の失敗学』(光文社新書)だ。地域再生・地方創生・地方消滅などの問題を丁寧に整理した1冊だ。
その飯田氏と下北沢B&Bで5月6日に開催した「饒舌大陸『ひたすら”地方”について語り合うナイト』」の模様を前後編に分けてお届けしたい。

地域経済の活性化なくして、日本経済の復活はない

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常見 陽平(以下、常見):「地域再生」「地方創生」「地方消滅」と、いろんな人がいろんな表現で言っています。とても怖い話のように聞こえる人もいえば、ビジネスチャンスだと思う人もいる。例えば私の古巣リクルートでは、「今後の新規事業で太い分野はIoT(モノのインターネット)と地方創生だね」って話になっているそうで。

飯田 泰之(以下、飯田):IoTより地方創生のほうがリクルートにとってはおいしいかもしれませんね。自治体側にコスト意識が低いですから。

常見:「ゆるキャラ」「B級グルメ」に関しても、私はずっと疑問を持ってきました。本当に定着するのか、地元にお金は落ちるのか、PRになるのか、と。人口減少リスクに関しても「減るに決まっているでしょ」と。飯田さんが今回、『地域再生の失敗学』を書こうと思った理由は?

飯田:第一の理由は東日本大震災以降、地方のまちおこしイベントや会議に参加させていただくことが増えたというところですかね。日本経済はたくさんの地域経済から成り立っている。ということは、地域経済のまとまりを便宜上「日本経済」と呼んでいるという側面もあるわけです。地域経済の活性化なくして、日本経済の復活はないわけです。

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