なぜ中国より東南アジアなのか 日本にいながら海外投資を始めよう

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中国よりもバランスの良い東南アジア

この連載では、日本の富裕層の海外移住の動向も交えつつ、広く一般の方にも行える海外投資について解説をしていきます。

とはいっても、本稿をお読みの皆様の中には、シンガポールに行かれたことがなく、東南アジア経済が有望だと言われてもピンとこない方も多いと思います。また、カジノやリゾートが充実してきたシンガポールに観光で行かれたことがあったとしても、投資対象として検討された方は少ないでしょう。

まず、シンガポールを中心とした東南アジアの魅力について詳しく見ていきましょう。日本以外の海外を10エリアに分けて、経済やビジネスの観点から評価したものを図にまとめました。

各地域を、経済成長性・経済の安定性・事業環境・日本との交流の4つのポイントから評価をしています。客観的に評価するために、各ポイントにつき2つの定量指標によりランク付けを行いました。

経済成長性は、今後5年間のGDPの予測成長率を、「人口成長率」と「1人あたりのGDP成長率」に分解して比較しています。GDP予測成長率では、東南アジアと中国が成長率で双璧ですが、一人っ子政策の影響で人口伸び率が大きく鈍化する中国に対して、東南アジアの方がよりバランスの取れた成長が期待されていることが分かります。

経済の安定性は、域外との資金のやり取りを示す経常収支と、政府債務の大きさを用いて評価しています。経常収支がプラスであることは、域外から域内に定常的に資金流入している状態を示していて、域外からの投資に頼ることなく経済が運営できることを示しています。

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