求められる日本経済のアニマル・スピリッツ

金融緩和の効果は期待薄(日銀ウォッチャー)

日本銀行は10月30日の金融政策決定会合で、資産買入等基金の増額(約11兆円)と銀行の企業への貸出を支援するための新貸出制度の導入を決定した。その後、7~9月期の実質GDP成長率が前期比マイナス0.9%に悪化したことが明らかになったが、10月の日銀の決定はGDPの悪化を想定した上でなされたと推測されること、為替レートは円高方向に動いていないこと等から、11月19~20日の決定会合の結果は、現状維持になると予想している。

しかし、10月30日に発表された政府と日銀によるデフレ克服のための共同声明の存在は、日銀にとって重い意味を持つ。日銀は努力姿勢を示す必要があり、12月の決定会合では資産買入等基金を10兆円(内訳は長期国債5兆円、短期国債5兆円)増額する可能性があると思われる。

12月はFRBの追加緩和に日銀が追随する

FRB(米国連邦準備制度理事会)の動向は今後の日銀の判断に大きな影響を与える。ロムニーを含む有力な共和党系政治家の大半はバーナンキ議長に対して、「金融緩和のやり過ぎだ」と激しい攻撃を加えてきた。大統領選挙でもしロムニーが勝っていたら、12月以降のFRBの政策には微妙な変化が現れた可能性はある。しかし、結果はオバマの再選で終わった。2014年1月で任期満了を迎えるバーナンキ議長の後任には、現時点では、民主党支持者でハト派のイエレンFRB副議長が本命視されている。

11月14日に公表された10月のFOMC(連邦公開市場委員会)議事要旨によると、多くのメンバーは、年内に終わる長期国債の買い入れを1月以降も継続する方が良いと考えていた。議事要旨は市場が過度な予見を抱かないように配慮した書き方になっていたが、「財政の崖」に対する米国民の不安を和らげるためにも、長期国債買い入れの延長が12月に決まる可能性は5割を超えていると思われる。実際にそれが決まれば、対抗上、12月の決定会合で日銀が上記の緩和策を決定する確率は高まると思われる。

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