米国で人気「大麻体験ツアー」に参加してみた 吸引できる登山ツアーや大麻入りディナーも

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ワインの名産地ナパバレーの観光みたいなものだと思えばいい。コロラド州ではゴールドラッシュならぬ大麻ラッシュで、大麻の水耕栽培施設や凝った作りの大麻販売店が登場し、大麻関連の市場規模 は10億ドルに達している。だが観光客向けのインフラはすべて「お客をハイにできればそれでよし」という非常にシンプルな原則に基づいて運営されている。

その選択肢の多さにはめまいがするほどだ。コロラド州で嗜好品としての大麻の販売が合法化されて2年、大麻関連ビジネスは急拡大している。

大麻料理教室で大麻のに香りをかぐツアー参加者たち

スキー場や空港への送迎の車の中で観光客が大麻を楽しめるサービスに、大麻を吸いながら参加する絵画教室や登山ツアー、大麻入りのフルコース料理が供されるディナーもある。大麻販売店を探したければ専用のスマートフォンアプリがあるし、専門業者のウェブサイトからは大麻付きの宿を申し込むこともできる。

ツアー参加費用は1295ドル

最終的に、私はデンバーに3日間滞在してさまざまな体験ができる大麻ツアーに申し込むことにした。「マイ420ツアーズ」という同州でも有数の人気を誇る大麻旅行業者が催行するツアー で、料金は1295ドルだ(現地までの飛行機代は別)。マイ420ツアーズの担当者のお勧めは、栽培施設と高級大麻店を回ったあとにレストランに行く「グルメツアー」と、医療用大麻オイルを使ったマッサージだった。

予約後、私は数時間かけてインターネットで「コロラド大麻ガイド」に目を通すとともに、関連法規について学んだ(例えば公共の場で大麻を吸うのは禁止だが、認可を得た商用車両の中ではOKだ)。

だがそれから数週間、マイ420ツアーズからは何の音沙汰もなかった。自分がちゃんと予約をしたのか、そもそもそんなツアーは存在しないのではないかという気がしてきたころになってようやく、旅程を記した電子メールが送られてきた。「ハーイ(HiでなくHighと書かれていた)、アラン」という書き出しのメールを見て、私はほっと胸をなで下ろした。

そもそも私はタバコもあまり吸わない人間だ。バーボンウイスキーはよく飲むが、酔っ払ってハイになるのなど年に2〜3回がいいところだ。だからツアーの最初にセッティングされた「大麻ソムリエ」の講義はありがたかった。

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