トランプ人気支える華麗なる「愛娘」の正体 物議を醸す父親が溺愛する冷静な経営者

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共和党の大統領候補に名乗りを上げているドナルド・トランプ氏(写真左)の秘蔵っ子、イヴァンカ・トランプ氏(同右)(写真:Damon Winter/The New York Times)

11月のある夜、ニューヨークのロックフェラープラザの眺めのよいレストランで開かれていたのは、強い女性たちを称えるイベントだった。米ファション誌「グラマー」が選ぶ「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」として表彰されたのは、カーダシアン姉妹の「義父」として知られるケイトリン・ジェンナー(元陸上選手で五輪金メダリスト。性転換前の名前はブルース)だ。

ゲストには「ハフィントン・ポスト」の創設者アリアナ・ハフィントンやマデレーン・オルブライト元国務長官、女優のリース・ウィザースプーンと言った顔ぶれが並んだ。

マンハッタン社交界の花形

グラマー誌が選ぶ「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」の晩餐会に参加したイヴァンカ・トランプ氏(写真:Amy Lombard/The New York Times)

その中には米大統領選の共和党候補指名レースを戦う実業家、ドナルド・トランプの長女イヴァンカ(34)もいた。

この日の晩餐会で、イヴァンカは同じテーブルに座った他のゲストからこんな質問を投げかけられた。お父さんはあなたがこういうイベントに出席することをどう思うかしら? 父ドナルドは女性蔑視発言で叩かれていたから、これは誰もが内心思っていた疑問だった。

緊張をはらんだ沈黙が一瞬流れたが、彼女は「私は私よ」と即答した。それから間もなく、友人のウェンディ・デン(ルパート・マードックの前妻)と連れだって会場を後にした。

イヴァンカの広報担当者によれば、帰宅したのはその場の空気に耐えられなかったからではない。2人の幼い子どもがいるため、あまり遅い時間まで残っていられなかっただけだという。

だがこれは、イヴァンカのまったく異なる2つの立場が図らずもぶつかり合った瞬間だった。1つは若い専門職の女性たちもあこがれる、30代のマンハッタンの社交界の花形という立場であり、もう1つはドナルド・トランプの長女にしてその最大の擁護者であり、最も価値ある「資産」という立場だ。

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