「本当のお金持ち」は家の買い方にムダがない マイホーム、不動産投資、別荘購入の哲学
③ 貸し出すことでさらに資産を圧縮できる
実勢価格と評価額の差額をさらに広げたいのであれば、物件を貸し出してしまうことが最も簡単です。他人が住んでいる物件は売りたいと思っても入居者の同意が必要な分、流動性が低くなるため、相続税評価額はさらに下がることになるからです。
1億円で物件を買ったとしてそれを貸し出すと、評価額は半分以下になることもあります。富裕層がマンション経営やアパート経営をよくしているのは、こういった資産圧縮効果もひとつの理由です。
④ タワーマンション節税
2016年に入って国税庁が「タワーマンション節税」の対抗策を打ち出しました。そもそもタワーマンション節税が流行った理由は、マンションの各部屋の評価額が、階層や眺望などに関わらず一律であったため、好条件で高値の物件を持っている人ほど税金対策の効果が高かったためです。
今後は上の階の部屋ほど評価額が高くなるように法令が変わるそうですが、いまのところ発表されている数値を見る限り、依然としてマンションを購入し貸し出すことによる効果が高いことに変わりはなさそうです。
このように、不動産投資はフロー(所得)上のメリットだけではなく、ストック(資産)上のメリット(資産圧縮効果)がとても大きいのです。
現役時代に不動産投資とは無縁だった大富豪でも、税金対策を考えるならば、ローンを組んでまで不動産投資をする価値が十分あります。私のお客様で、こうした不動産投資による資産圧縮によって、相続税が5億円から3億円になった人もいました。
不動産投資で必ず想定しておくべきことは、よほど高需要の物件以外は、評価額だけではなく実勢価値がすぐに下がる性質であることです。
ただ、資産の大きい人は何もしなければ最大55%の資産がそのまま徴収されるのですから、不動産価値が下がることを織り込んでも、税金対策の効果のほうが高くなりやすいわけです。
大富豪だけが知っている減価償却の「穴」
不動産投資による税金対策の応用編として大富豪がよく実践しているテクニックのひとつに、米国での不動産投資があります。
これは両国の法制度と不動産事情における3つの盲点をついたものです。税金対策という点ではその効果は大きく、場合によっては攻めの不動産投資(売却益狙い)よりもはるかに高い利回りが期待できます。
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