「貯金がいつまでも増えない人」の残念な思考 3割の世帯がゼロ、高収入で貯められない人も
貯金ゼロ――。金融広報中央委員会が11月5日に発表した調査結果によれば、金融資産がゼロという世帯が全体の30.9%を占めることが明らかになった。しかもそれはこの10年で増加傾向にあり、昨年から比べても0.5ポイント増加した。つまり日本は全体の約3割に当たる世帯が、いざという時にまとまったおカネがない状態だ。独身ならばともかく、子供や年老いた親などを養っている家庭ならば、家計は綱渡りを強いられている状態にある。
ところが、同じ調査ではこんなデータもある。金融資産を保有している世帯の平均額は1819万円にも上るのだ。これだけの貯蓄があれば、それなりに裕福な暮らしはできるだろう。「日本人はやっぱり裕福だ」と思うかもしれないが、これを額面通り受け取ってはいけない。
金融資産保有額を1000万円単位で区切ってみると、貯金ゼロと1000万円未満の世帯に約7割が集中している。たとえ金融資産があっても、半数の世帯は1000万円を超えていない。一部の超富裕層に全体平均が引き上げられているだけだ。金融資産を保有している人に限って、保有額の少ない順(あるいは多い順)に並べたときに、真ん中に位置する「中央値」は約1000万円となる。
収入と貯蓄の関係を聞くと、30.6%の世帯が「年間手取り収入から貯蓄をまったくしなかった」と回答し、「ボーナス(賞与、一時金)があっても、それをまったく貯蓄に回していない」が21.5%、「そもそもボーナスがない」が40.6%と、定期的な収入から貯蓄をできていない世帯が少なくないことがうかがえる。
年収が高くても「貯まらない人」は貯まらない
そこにはもちろん収入の低さが大きく影響している。貯金ゼロ世帯の割合は、年収が低いほど高い。だからといって、年収が高ければ貯蓄ができるかというとそうでもない。年収1000万円以上でも貯金ゼロという世帯が1割以上ある。
筆者がファイナンシャルプランナーとして家計の相談にのっていると、いつまでも貯蓄ができない、資産が増えない人には、運用や貯蓄への考え方に共通点がみられる。それは心理的な問題も影響しているようなのだ。
そんな貯蓄をできない人が陥っている3つの特徴を紹介しよう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら