米国の第1四半期GDPが0.5%増に減速

2年ぶりの低水準に

 4月28日、第1・四半期の米GDP速報値は前期比0.5%増と、2年ぶりの低い水準に落ち込んだ。写真は米オハイオ州のホンダ工場で作業する従業員。2012年10月撮影。(2016年 ロイター/Paul Vernon)

[ワシントン 28日 ロイター] - 米商務省が28日発表した今年第1・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値は、季節調整後の年率換算で前期比0.5%増と、2014年第1・四半期以来2年ぶりの低い水準に落ち込んだ。市場予想は0.7%増だった。

個人消費が弱含んだほか、ドル高が引き続き輸出の重しとなった。企業は積み上がった在庫を解消するために新たな発注を控えたもようだ。ただ雇用市場の底堅さを勘案すると、経済活動は勢いを取り戻す見込みだ。

昨年第4・四半期のGDPは1.4%増だった。

原油安も経済の重しとなった。油田サービスのシュルンベルジェ<SLB.N>や資源開発サービス大手ハリバートン<HAL.N>などの石油関連企業が痛手を負っており、企業の設備投資は前回の景気後退期の終わりに当たる09年の第2・四半期以来の大幅なマイナスとなった。

プランテ・モラン・フィナンシャル・アドバイザーズの首席投資責任者(CIO)、ジム・ベアード氏は「年の始めは成長が軟調になるとの傾向が過去約10年間みられている」と指摘。今後は成長は上向くとの予想は変わっていないと述べた。

朝方発表された前週の新規失業保険申請件数では4週移動平均が1973年12月以来の低水準になるなど、労働市場は堅調。米経済の成長低迷は一時的なものである可能性がある。

このほか、エコノミストの間では政府が利用している季節調整のモデルが十分に機能していないとの見方も出ている。

機器の設備投資は8.6%減で、こちらも09年第2・四半期以来の大幅な落ち込みだった。住宅以外のインフラ投資は10.7%減。中でも石油探索・掘削の投資は約86%減と過去最大の落ち込みになった。昨年第4・四半期は39.6%減だった。

第1・四半期のGDPは、ほぼ全部門が落ち込んだが、住宅投資は大幅に伸び、唯一明るい材料となった。

米経済活動の3分の2以上を占める個人消費は1.9%増と、昨年第1・四半期以来の低水準だった。昨年第4・四半期は2.4%増だった。

個人消費の伸びは低調だったものの物価は上昇した。変動の大きい食品とエネルギーを除くコア個人消費支出(PCE)価格指数は2.1%上昇し、前四半期の1.3%から加速。上昇率は2012年第1・四半期以来の大きさとなった。

消費者は節約し、ガソリン安にもかかわらず自動車の購入を控えた。雇用市場の引き締まりに伴って賃金もやや増加しているが、家計はガソリン安で余裕が出た分も含めて、貯蓄にまわしたもようだ。債務も減らしている。

税引き・インフレ調整後の可処分所得は2.9%増え、前期の2.3%増からプラス幅を拡大した。貯蓄は7123億ドルで、前期の6783億ドルから増加した。貯蓄の増加と債務の減少は、今後個人消費が加速することを示唆する。

第1・四半期の個人消費が緩慢だったことで、企業はモノの発注を控え、在庫解消に一段と力を入れた。在庫投資は609億ドルと、昨年第4・四半期の783億ドルから減った。

在庫はGDPを0.33%ポイント押し下げた。昨年第4・四半期は0.22%ポイントの押し下げだった。

GDPに対する貿易の寄与度は0.34%ポイントのマイナスだった。ドル高で輸出が減り輸入が増えた。ドルは14年6月から昨年12月までに米国の主要な貿易相手国の通貨に対して約20%上昇した。ただ今年に入ってからは貿易加重ベースで2.6%安となっており、輸出が持ち直すとの期待が高まっている。

*内容を追加して再送します。

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