高い「小1の壁」へ"超現実的"に抵抗する方法 仕事ができるママが、なぜここまで大苦戦?

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たとえば仕事で会議に臨んでいるとしたら、「議題から脱線した、枝葉の事柄を時間をオーバーしてもくどくど説明する」なんてことは許されないし、議長や参加者から注意されたり、あるいは「仕事ができない」と思われたりすることもあるでしょう。

また、そんな会議だったら「もっとこう運用すべき」とか「そもそもこの会議は不要だ」とか、提案することも求められるかもしれません。なのに、PTAや保護者会では、仕事のようにはいかない。注意なんてできやしないし、下手したら「脱線」「くどくど」の人が長だったりもするわけで、黙ってペーパーに目を落とし、メモすることもないのにボールペンを握りしめているしかない。書かれていることを全文いちいち読む人にも、「読めばわかるよ、要点だけ説明しろ!」と思いつつも、厳しい視線なんて送れるわけもありません。

「変てこな風習」へのささやかな抵抗

やっぱり、それは「大きなママ友の会」という人間関係の場になってしまっているから、ということが原因のように、私には思えてならないのです。あなたのご相談も、言葉は柔らかいけれど、「仕事がある日にママ友活動をしなくちゃいけないの?」という、「VS専業ママ」の気持ちがうっすら感じられる気もします。その気持ちをもやもや持っているだけでは、きっとなんの解決にもならず、職場でぺこぺこ頭を下げ、あるいは愚痴を言いながら、早退したり深夜に作業したりして、役員をやることになってしまうことでしょう。

かといって、社会、地域から、家庭からでさえも、一定の印象を持たれてしまっていて、暗黙の参加ルールがある会をひとりで変えていく決意をするのはとても難しいものです。「びくともしないでしょ」とも思えるし、子どもたちが学校に行く期間は決まっているので、「そこさえうまくやれれば……」とも思ってしまう。

私も決してポジティブに参加できていないので、全く偉そうなことは言えないのですが、やっぱりこのままでは良くない、とは思います。シングルのパパやママたちはどうすればいいの?と思うし、未来の親たちだって、「変てこな風習」の中に巻き込んでしまうことになりますしね。

私のしているささやかな抵抗は、ダンナを巻き込んでしまうことでしょうか。こういった会は、提出プリントも大量にあります。保護者の名前を書く欄があると思うのですが、私はほとんどダンナの名前をこっそり書いています。後からそれらのまとめの資料をもらうと、保護者の欄は母親の名前があることが多いし、連絡先も母親の携帯電話であることも多いように思います。

でも、我が家は普通に「父親の名前」で「父親の連絡先」(笑)。目を通して期限までにプリントを書き、子どもたちに持たせるのは私なので、そんなことは簡単に操作できちゃうし、ダンナに了承もとりません。

「この役員のなり手がいないのですが、やっていただけませんか?」という連絡なんかは、第一連絡先がダンナなのに、母親の私に入ることもありますが、「主人から折り返しさせますね♪」などと言って、なるだけコミュニケーションにダンナを混ぜていく。くじ引きもダンナにしてもらったり、写真を選びに土曜日学校に行ってもらったり。

そうやって、この場に「パパ」を混ぜていくと、自分の動き方や会の進め方など、家庭でこの件についての会話も生まれるし、実際に「パパだからこそ言える」といった汚れ役もお願いできます。そのかわり大量の裏方仕事は振ってきますけど(笑)。

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