空前の焼肉バブル!「大阪の肉」が人気のワケ 外国人観光客はなぜ「ミナミ」を目指すのか
「食いだおれの街」、「天下の台所」などの呼称を持ち、その伝統を活かし豊かな食文化を育んできた大阪。お好み焼き、たこ焼き、串かつなどの粉物に加え、てっちり、割烹など大阪をイメージさせる飲食業態は少なくないのではないだろうか。
実は今、訪日外国人客の中で、大阪の新たな定番グルメとして認知されつつある業態がある。それが、ミナミの焼肉だ。
筆者は香港・台湾・中国を訪れた際、日本流の焼肉店の多さと牛肉人気の浸透度に驚いたことがある。「牛角」などの大手チェーンから、中国資本の格安店まで、数多の焼肉店がしのぎを削っていた。現地に住む知人は、「日本の焼肉はクオリティが高く、独自のタレ文化がある。値段も日本で食べるほうが1.4~2倍程はリーズナブル。服に匂いがつきにくい『無煙ロースター』の存在も大きいと思う」と分析していた。
それにしてもなぜ現在のミナミの焼肉業態が他のジャンルを差し置いて人気を集めているのか?取材を通して「価格」「歴史」「受け入れ体制」とさまざまな要素が絡みあう、リアルな現状が見えてきた。
売り上げ20%増がミナミでは当たり前
では、どれほどミナミの焼肉業態は好調なのか?飲食関係のメディアを手掛ける媒体各社のミナミ地域担当者の話が興味深い。
「現在、ミナミの”牛肉需要”は目を見張るものがあります。エリア全体で見ると、他の業態の場合、前年比80%~90%程度の売り上げで推移する店や、賃料の値上がりもあり撤退する店も目立ちます。そんな中、焼肉に関しては前年比120%以上を叩き出す店舗が多い。その人気ぶりは他の業種にも影響を与えるほどです。具体的には居酒屋でも肉メニューを積極的に取り入れていますし、バル業態でも肉を使った料理が増えていますね」(ホットペッパーグルメ・ミナミエリア担当)
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