「商売下手な人」が理解していない欲望の本質 ヒット商品は理屈で生まれるものじゃない

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アイデアが生まれる陰には2つの要素があった
東洋経済オンラインに集いし労働者・学生・市民諸君!「若き老害」こと常見陽平である。
前回に続き、石川明さん、高橋晋平さんとの鼎談をお届けしよう。前回は石川明さんの「不の解消」という視点の話を中心にお届けしたが、今回は高橋晋平さんの「快の追求」という視点で考えていく。2015年で気になったヒット商品を挙げて頂きつつ、読み解いてもらった。

前回の記事:「商売の本質を知らない人」の浅すぎる思慮

オンライン英会話も結局はモテ目当て?

常見陽平(以下、常見):高橋(晋平)さんが気になった2015年の商品・サービスベスト3は?

高橋晋平(以下、高橋):「オンライン英会話」「本能寺の変」「スプラトゥーン」ですね。僕は基本的には自分事でしか考えられないんです。ほかの人の気持ちは、どこまで考えても本質をとらえるのが難しくて。その目線で「やられた!」と思った商品・サービスが「オンライン英会話」です。

周りで「俺もやってる」「私も始めた」という話を聞いたり、大手企業がこの分野に参入してきたり。僕もボードゲームとかカードゲームなどを作っていて、それを海外で売りたいという仕事上の目標があって、恥ずかしながら昨年オンライン英会話を始めたんです。

講師はフィリピンの女性で、どの人にするかはプロフィール写真で選ぶのですが、中にとてもかわいい方がいたんです(笑)。それで、その女性に講師になってもらいたいと思ったんですけど、ほかの人がレッスン中だと選べないんですね。

一同:(笑)

高橋:まずは別の講師と話したわけです。次の日も例の気になる女性はまた別の人とレッスン中で選べませんでした。その人はいつもレッスン中なんです。生徒は写真で選んでいるんじゃないかな、って。

一同:(笑)

常見:それは思ってもいなかった視点です。僕はオンライン英会話をやったことがなかったので。「TOEIC900点取りたい」という、意識の高い人がオンライン英会話をやっているのかと思いきや、結局、女性目当てかよっていう。

高橋:僕は意識高く、まじめに始めたのですが、「こういうものか」と初めてわかりました。ついには朝5時に起きて、気になっていた女性講師のレッスンを受けることができました。その時点で取り込まれたなと。すごいと思いました。

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