ゴルフは耳と耳の間でするスポーツ!!

インスパイア取締役ファウンダー/成毛 眞


 ゴルフは、耳と耳の間でするスポーツだという。つまり頭を使えというわけだ。
 止まっているボールを打つゴルフは、すべてのショット前に思う存分考えることができる。もちろん、ホールごとに攻略法を考える必要がある。プレーして帰ってから、自分は本当にゴルフに向いているのだろうかと、とっぷり考えてしまうこともある。ともかく、ゴルフは考えることが好きなスポーツだ。
 本当に考えるスポーツなのか、本の出版点数を調べてみた。実際、練習に励むよりも本を読む人の数が多いように思えたからだ。まずは通販サイト・日本のアマゾン(Amazon)で、スポーツのジャンル別出版点数を調べてみた。

野球は二つのサブジャンルに分類されている。野球・ソフトボールとプロ野球・メジャーリーグだ。つまり、する野球と見る野球の二つに分類されているわけだ。この二つを合わせた出版点数は2624点である。
 野球に続く人気スポーツはサッカーだ。野球と同様、サッカーとJリーグに分類されている。合計は1478点だ。この2大スポーツ以降はマリンスポーツ・水泳の914点、テニスの781点、陸上競技675点、スキー・スノーボードの536点と続く。プレー人口や人気とほぼ比例しているような気がする。

ところが、わがゴルフはなんと4788点もあるのだ。少なくともアマゾンでは、野球とサッカーを合わせた数よりも多くのゴルフ本を認識していることになる。
 売れている順に、本のタイトルをくっつけてみよう。いまゴルファーが読みたい本は「パターが面白いように入るようになり、普通のサラリーマンでも2年でシングルになり、DVDもオマケで付いている本」だ。いささか無理があるような気がする。

しかし、ゴルファーは「なぜゴルフは練習してもうまくならないのかがわからないし、ゴルフクラブ選びが間違いだらけだったのかもしれない」と悩んでいる。とはいえ「ゴルフは突然うまくなることもあるし、練習嫌いはゴルフがうまい!」などと、甘い言葉もかけてほしいのだ。
 ところが実際は「書斎のゴルフ-読めば読むほどうまくなる教養ゴルフ」とだんだん体は重くなり、ついには「ゴルフで老いる人、若返る人」に及んで、ここが人生の分かれ目と切羽詰まることになる。

いやはや、ゴルフは本当に耳と耳の間でするスポーツなのだ。実際、頭脳産業の最たる文壇でも丹羽文雄、小林秀雄、川口松太郎、柴田錬三郎、水上勉、城山三郎など、そうそうたる作家がゴルフにいそしんでいた。このあたりは三好徹の『文壇ゴルフ覚書』に詳しい。

インスパイア取締役ファウンダー/成毛 眞(なるけ・まこと)
1955年北海道生まれ。アスキーなどを経て、91年マイクロソフト日本法人代表取締役社長。2000年に退社後、投資・事業開発コンサルティングのインスパイアを設立。趣味はジャズレコード収集やプラモデルなど多数。無類の読書家としても有名、書評も多く手掛ける。
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