事実!「声をかけやすい人」は仕事ができる ANAの気づかいは、こんなにも合理的
航空会社における至上命題である「安全」を確保するために、ANAの機長は、隣に座る副操縦士に気づいたことを何でも言ってもらえるような人間関係をつくろうとしています。
ある機長は、こう述べます。
「私も含めて、人間誰もが完璧ではありません。機長である私から副操縦士に、『ちょっとでも気づいたことがあったらなんでも言ってね』と進んで言っておかないと、相手は『機長の下す判断は完璧に違いない』と過信してしまう。むしろ『キャプテン、こうではありませんか』と疑問を投げかけてもらうほうが、確実に安全性は高まるんです」
パイロットから始まった「アサーション」
ANAでは 「アサーション」 という活動が浸透しています。先のパイロットの例でいえば、安全のために、「機長 → 副操縦士」の方向だけでなく、「副操縦士 → 機長」の方向にも情報がしっかり伝わるよう、上司側も気づかいをする、言いやすい雰囲気をつくるという活動です。この活動は、パイロットの間で始まり、現在ではCA(客室乗務員)、整備士など、グループ全体に広がっています。
「伝えたいことが伝わる人間関係にするために気づかいは必要」と述べるのは、30年以上整備部門に在籍し、ANAビジネスソリューションでヒューマンエラー対策講師を務める山内敏幸です。