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ネットに激増している「幼児の性的虐待」の実態 虐待画像や映像の数は過去最高に

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アメリカ連邦議会で2008年に成立した法律は今日の多くの問題を見越して立案されたが、連邦政府はこの法律の重要な部分を履行できていない。

例えば法律では司法省に対し、子どもに対するネット犯罪に関するデータをまとめ、その撲滅に向けた目標を設定するために6本の報告書の提出を求めているが、実際には2本しか完成していない。責任者もしょっちゅう入れ替わっている。

連邦政府もこの法律の主旨に見合った働きをしているとは言えない。州および地方自治体の取り締まりのための連邦予算は年に6000万ドルとされているが、実際に議会で承認されるのはその半分程度。また、国土安全保障省は今年、ネット犯罪部門の予算から移民対策に600万ドル近くを振り向けた。

虐待画像が氾濫する「闇サイト」の存在

通報を受け、連邦・州・地方自治体の取り締まり当局のいずれかに振り分けるのが全米行方不明・被搾取児童保護センターだ。外国の関係当局に連絡することもある。だが連邦政府は、同センターの抱える問題に十分な対応をしていない。

同センターは非営利組織で、使っている技術のかなりの部分は20年前の古いものだ。経験豊かな技術者をつなぎ止めるのに苦労しているほか、ネット上での画像や動画の流通を止めるよりも子どもの救出を優先する立場を取っているという。

オハイオ州在住のサイト管理者の男、ジェーソン・モーザーのコンピューターに保存されていた動画は、捜査関係者らによれば「児童ポルノの中でも最も残忍で暴力的な映像」だった。動画はコンピューターの隠しファイルに保存され、暗号化もされていた。

犯罪者が暗号化といった先進技術を使って警察の目をかいくぐる例は増えている。前述のモーザーは「ラブゾーン」という闇サイトの運営に関与しており、コンピューターには300万を超える画像や動画が保存されていた。裁判資料によれば、ラブゾーン(すでに閉鎖)には3万人近い会員がいたが、優良会員であるためにはそれぞれが虐待画像を投稿することが求められていた。一部サービスは、自らが行った性的虐待画像を投稿した会員だけに利用が認められていた。

各地の警察の捜査により、これまでにいくつもの大規模な闇サイトが摘発された。「チャイルズ・プレイ」もその1つで、ユーザーアカウント数は100万を超えたと報道されている。

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【画像投稿やダウンロードを“安全に”行うための掲示板も】

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