「人生の最期」の7日間に起きる知られざる現象 名医が教える「ご臨終」の不思議な世界
「中治り現象」という不思議
人の命が、あと7日、いや5日かもしれないという危篤状態に陥ると、見舞いに来た親族や知人も半ば諦め顔になり、ため息をつくことが多くなるものです。
しかし、こうした状況で、家族たちをびっくりさせる現象が病棟ではよく起こります。死を間近にした人の「中治(なかなお)り現象」と呼ばれる不思議な回復です。
意識がもうろうとし、口にいっさい食べ物を入れない状態の患者さんが突然、目をパッチリと開け、「水を飲みたい」「アイスが食べたい」などと訴える。その様子に、世話にあたる病棟スタッフは、これは「中治り現象」かもと気づきます。
家族も、急に元気になった患者さんの様子に驚きます。ひょっとしたらこのまま回復して元気に暮らせるのではないか、病気が治って自宅に戻れるのではないか、などと期待する家族も少なくありません。
実は、このように患者さんの容態が一時的に回復する現象は日本だけのことではなく、欧米ではこれを「last rally(ラスト ラリー)」と呼んでいます。日本語に訳すと「最後の回復」とでもいえるでしょうか。
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