MMTが「就職氷河期世代」に支持される深い理由 新理論による「現実」対「虚構」の歴史的転換点
意外に長いMMTの歴史
「現代貨幣理論(Modern Monetary TheoryもしくはModern Money Theory)」。通称「MMT」。
200年に及ぶ経済学の歴史においても、これほどまでに革命的であり、そしてスキャンダラスな経済理論が脚光を浴びることは、そうめったにはない。
もっとも、最近になって現れたかに見えるMMTであるが、実は、20世紀初頭のゲオルク・F・クナップ、ジョン・M・ケインズ、ヨーゼフ・A・シュンペーターらの理論を原型とし、アバ・ラーナー、ハイマン・ミンスキーなどの業績も取り込んで、1990年代に、本書の著者L・ランダル・レイ、ステファニー・ケルトン、ビル・ミッチェルといった経済学者、あるいは投資家のウォーレン・モズラーらによって成立したという系譜をもっている。
MMTの歴史は、その原型も含めて考えるならば、意外と長いのである。
それにもかかわらず、MMTの登場は、やはり、革命的で、スキャンダラスな事件だと言わざるをえない。
それは、世界中の経済学者や政策担当者が受け入れている主流派経済学が大きな間違いを犯していることを、MMTが暴いてしまったからである。
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