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黒船来航の真意を知らない人に教えたい本質 「明治維新」を地球大で考えてみよう

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  • 出口 治明 立命館アジア太平洋大学(APU)前学長・名誉教授
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ペリーほどではありませんが、歴史に名を残している米国人に日米修好通商条約に調印した外交官、タウンゼンド・ハリスがいます。教科書のうえでは、比較的「紳士」のイメージで伝えられてきたと思います。このハリスをはじめとする外国人たちが開国後、いかに小判(金)と銀貨の為替をめぐる投機に取りつかれ、紳士然としながらも、強欲な醜いカネの亡者になっていたのかが、実に生き生きと描かれています。

無知なリーダーがいかに人々を不幸にするか

読後、為替がいかに重要で大きな存在か、そして無知なリーダーがいかに人々を不幸にするか、ということをしみじみと考えさせられるのではないでしょうか。

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当時の状況を改めて考えてみてください。日本は長い間鎖国をしていて、そもそも為替に関する情報がほとんど入ってきていません。しかも、相手はどんどん力をつけている米国で、まずは無理筋の要求を突きつけてから交渉を始めるのが常。それなのに、いきなり為替のディールに臨んでみたって、勝てるわけがない。

そういった当時の様子が克明に描かれています。ああ、無知とはいかに恐ろしいことなのか……。思わずため息が出てしまうかもしれません。

『開国の使者』

明治維新といえば、大久保利通や西郷隆盛をすぐに連想してしまいますが、そういったありふれた視点から離れて明治維新を「地球大」で考えてみましょう。そのスタートとして『開国の使者』と『大君の通貨』は最適だと思います。

なお、2018年は、明治維新150年の節目の年に当たります。僕が半藤一利さんに教えを請うた『明治維新とは何だったのか 世界史から考える』(半藤一利・共著、祥伝社)も参考になるでしょう。

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