宇都宮市は「新・路面電車」で何をしたいのか

来年3月着工だが、町の将来像はいまだ見えず

「平出町」から「作新学院北」までは専用軌道を走り、鬼怒川を渡る。そして清原工業団地の中を北進する。ここは従業員数約1万2000人の大規模工業団地で、ほかにも作新学院大学や栃木SCのホーム、グリーンスタジアムがある。朝は多くの工場で送迎バスを走らせており、大型バスを何台も見かけた。また、東側の台地上には住宅地も広がっている。工場側の施策や支線バスの整備次第ではライトレールの利用はかなり見込める。

【12月15日11時30分追記】記事初出時の「FC栃木」との誤記を「栃木SC」に訂正しました。

LRTの建設予定ルートと地域内交通の関係のイメージ図(写真:宇都宮市)

清原工場団地を南北に抜け道路は両側に広い土地がとられている。ライトレールの開業で道路が狭くなることはなさそうだ。北側の野高谷高架橋(仮称)を経て再び鬼怒通りに合流する。北側には「ゆいの杜」と名付けられた住宅地が広がっており、一軒家だけではなくアパート・マンションもあり、ホテルの開業予定もある。まだまだ成長途中のまちで、ライトレールの開業で歓楽街のある宇都宮市街地へ気軽に出ることができるようになり、住宅需要の拡大も期待できる。

朝夕はクルマで大渋滞

何よりも、この周辺がライトレールの開業により期待されることは、鬼怒通りにおいて朝夕発生する"通勤渋滞"の改善だ。ゆいの杜の東側にある、芳賀工業団地と芳賀・高根沢工業団地にはホンダグループの本田技術研究所を中心に多くの工場があり、約2万2000人が働いている。そのため、鬼怒川を渡る柳田大橋の東側を先頭に数kmにわたり渋滞する。本田技研も宇都宮駅東口から朝ラッシュ時に20本以上の送迎バスを走らせているが、どの便も大型バスの2台運行かつ満席だ。なおかつ、すいていれば宇都宮駅から本田技研まで車で25分程度のところを1時間もかかるという。夕方時間帯も芳賀工業団地から柳田大橋まで歩くのと変わらないほどの渋滞となることもある。

企業の送迎バスで宇都宮駅から清原工業団地および芳賀工業団地、芳賀・高根沢工業団地に通勤する人は3500人。さらに快速で「宇都宮駅東口」から30分台で結ばれるとなれば、車からライトレールへの転換も期待できる。また、現在は全線最高時速40kmでの所要時間であるが、「今後最高時速引き上げの特例も国に要望していく」(宇都宮市建設部 LRT整備室)ことで、さらなる時間短縮の可能性もある。清原工業団地近くに住む会社員もその1人で「鬼怒川に架かる柳田大橋をはじめ朝晩の渋滞が激しいし、冬は道路の凍結が怖い。ライトレールには早く開業してほしい」と心待ちにしていた。

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