セミナーレポート

財政健全化の先に見える
新たな成長軌道

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【講演Ⅲ】
「リオ・グランデ・ド・スル州の魅力」

ファビオ・デ・ オリベイラ・ブランコ
リオ・グランデ・ド・スル
投資局 局長 

リオ・グランデ・ド・スル州投資局のファビオ・デ・オリベイラ・ブランコ氏は「ブラジル参入の際の入り口としてわが州への進出を検討してほしい」と語り始めた。ブラジル南部、南米大陸のほぼ中央に位置する同州を中心とする半径1500キロ圏は、メルコスール(南米南部共同市場)4カ国を結ぶ交通網が整備され、多くの企業と約1.5億の人口が集中する中南米で最も人口密度の高い地域だ。特に、同州の工業は多様性に富み、オートメーション機器や農業機器といったセクターで国内トップの産業集積を誇る。教育レベルも高く、国内トップの連邦大学、リオ・グランデ・ド・スル連邦大学のほか、国内2位と3位の私立大学も同州にある。また、革新的起業家として表彰される地元企業も育ち、海外の多国籍IT企業からの投資も集めている。注目されるエネルギー、医療、自動車、電子・半導体の各分野にも、有望な投資機会が存在する。ブランコ氏は「州に投資する企業には税制恩典、ファイナンス補助などについてワンストップサービスを提供しています。最高の判断をしていただくため、より詳細な情報提供の用意もあります」と、日本企業に呼びかけた。

【講演Ⅳ】
「ブラジル進出の法務~
進出後の事業運営に関する留意点を中心に」

角田太郎
アンダーソン・毛利・ 友常法律事務所
パートナー 弁護士 

ブラジル進出時の法務上の留意点についてアンダーソン・毛利・友常法律事務所の角田太郎氏は「ブラジルの外資規制はオープンで深刻な影響を及ぼすような規制はほとんどありません。15年の法改正ではヘルスケア医療分野への外資参入が解禁され、病院ビジネスへの投資が盛んになっています」と概観。進出形態については「支店設置は難しく時間と費用もかかるため子会社での進出が多い」と指摘した。労働者保護に傾斜しているとされる労働法の下での労務については、使用者の実質的負担は給与の2倍以上になるなどコスト管理が難しく、労働訴訟も多いので、M&Aのデューデリジェンスなどでは留意する必要がある。また、原則としてコアビジネスはアウトソーシングできないとする規制にも注意が必要だ。注目されている汚職については「大企業を中心にコンプライアンスの意識は高まっている」として、会社が依頼した現地エージェントやコンサルタントによる贈賄に注意するように求めた。角田氏は「第三者によるチェックの仕組みで担保するとともに、賄賂を要求されたら一人で対応しないことが大切です」と語った。

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アンダーソン・毛利・友常法律事務所
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