地方創生を実現
2つの光王国・徳島
LEDと光ブロードバンド環境を活かした「とくしま回帰」

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世界最大級の生産拠点を擁するLED産業と、光ブロードバンド環境の高速回線を使った情報通信産業を軸に飛躍を期す徳島県の魅力を伝える「徳島ビジネスフォーラム」が11月に東京・港区で開かれた。県や企業の代表者らの講演のほか、LED関連製品などの展示ブースも設けられ、地方創生をリードする徳島に立地するメリットを訴えた。

主催/徳島県、公益財団法人とくしま産業振興機構
後援/一般財団法人日本立地センター、日本政策投資銀行四国支店、
   四国経済産業局
協力/東洋経済新報社

【開会あいさつ・プレゼンテーション】
徳島県の立地環境について

徳島県
飯泉 嘉門 知事

2015年春の徳島自動車道の鳴門・徳島間開通、徳島阿波おどり空港最寄りの松茂スマートIC開設をはじめ、陸・海・空を結んだ交通網整備が進む徳島県は今、LED、光ブロードバンドの「2つの光王国」として売り出し中だ。世界的LEDメーカーを核にした「LEDバレイ徳島」は、構想10年で関連132社を集積した。光ブロードバンドは、東京の10倍以上(実測値)という高速のインターネット環境を生かし、高精細映像4K技術を推進。災害時の事業継続計画(BCP)やテレワークを実現するサテライトオフィスの展開にもつながり、12年以後、ICT企業など31社が中山間地域を中心として県内に進出してきた。県では、県内製品を率先購入する「お試し発注」のほか、補助金、税制優遇、徳島大などと連携した人材育成など多彩な支援を提供。飯泉知事は「東京一極集中から地方・徳島回帰をしてもらうため、『VS東京』、『知恵は地方にあり』を掲げている。地方創生モデルを発信したい」と訴えた。

【徳島県内企業のプレゼンテーション】
地域内連携による
新商品・新技術の創出

阿波製紙
代表取締役社長
三木 康弘

和紙をすく技術を原点に、ろ材や水処理膜の支持体などを手掛ける阿波製紙の三木康弘氏は「さまざまな方と協力しながら新たな事業のヒントを探ってきた」という社史を振り返った。同社は1916年に機械すき和紙メーカーとして創業。戦後は、機能紙、不織布製造で成長した。その転機には「徳島に立地していたことで得られた情報」があったという。国内トップシェアの自動車用フィルターは、昭和30年代に県内のバス事業者から土ぼこりによるエンジン不良対策を相談されたのを機に開発。最近では、徳島のLED関連企業から、熱対策が必要なLEDの照明の放熱フィン軽量化という求めに応じた熱伝導用炭素複合材を開発。複雑な形に成型できる炭素繊維強化プラスチック開発でも注目される。三木氏は「コンパクトな県なので、大学、企業、行政一体で研究開発に取り組みやすい。また、チャレンジ精神を持った中小企業も多いのも特徴です。共に世界のオンリーワン、地方創生を目指しましょう」と呼びかけた。

【徳島県内企業のプレゼンテーション】
神山サテライト
オフィス・プロジェクト

プラットイーズ取締役会長
えんがわ代表取締役
神山神領代表取締役
隅田 徹

光回線が整備された徳島県の中央部・神山町には計12社がサテライトオフィスを置く。そのうちの一つで、デジタル映像関連事業を展開する隅田徹氏は「通販も翌日配送され、情報のタイムラグもありません。東京でできる仕事のほとんどは神山でも可能」と言い切る。同社は、ほぼすべてのスタッフが東京と神山どちらの職場も選択でき、従業員約100人の2割が神山で働く。地方のサテライトオフィス効果として、隅田氏は、東京や大阪から徳島勤務を希望する応募者が多いことを挙げ「UターンやIターンを志向する経験豊富な専門人材獲得の有効な手段」と強調した。また、生産性は、マネジメントやクリエーティブ業務領域で、神山の方が優位と指摘。「地域や人とのかかわり、豊かな食、リラックスできる環境は、考えることが重要な付加価値の高い仕事に適していると思います」と述べた。また、神山での仕事環境を体験できる宿泊施設「WEEK神山」も紹介。地域を包む心地よさを体験するよう呼びかけた。

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