細かい点になるが、もうひとつ気になったのは、熊谷代表自身が会見の進行まで主導していたことだ。
スタッフに「スライドを映して」「お待たせしているんだから早くしなさい」などと命令口調で指示する場面もあり、トップの強い個性が際立った。司会は別の担当者に任せ、熊谷氏自身は説明と質問への回答に徹するべきだった。
説明者と進行役を分けるのは、形式上の作法というだけではない。謝罪すべき人物が場を仕切っているというのは印象が良くない。また、論点の逸脱や拡散を防ぎ、必要な質問を受け止めるためにも、司会を別に立てて進行管理を行うことが重要だ。
代表の発言を適切に整理し、必要に応じて制止する人が見えなかったことは、「トップを止められない組織なのではないか」という印象を与える。情報管理上の問題が問われている企業にとって、こうした印象を与えてしまうことは、決して好ましくない。
また、説明しようとする担当者に「ちゃんとボタン閉めてください。あなた、
「攻撃は最大の防御」という発想はむしろ逆効果
GMOはこれまで積極的な事業展開や経営トップの強い発信力を武器に成長してきた企業という印象がある。攻めの経営では、迅速な判断や強いリーダーシップが強みになる。しかし、不祥事への対応では同じやり方が通用するとは限らない。
危機対応に必要なのは、トップが前面に出て場を圧倒したり、コントロールしようとしたりすることではない。事実を確認し、異論にも耳を傾け、説明の範囲を慎重に定めることが重要だ。「攻撃は最大の防御」という発想は、企業不祥事の場面ではむしろ逆効果になりうるのだ。


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