注目を集めたのは、皮肉なことに、今回の会見の趣旨から外れた第2部だったのだ。
危機管理広報という観点からは、今回の会見は「完全な失敗だった」と評価せざるをえない。
「命の砂時計」発言の矛盾
情報流出が起きても、記者会見を開かず文書で説明する企業は少なくない。その点、熊谷代表が公の場で説明したことには一定の意義がある。
ただし、今回はセキュリティーが十全であるべき大手インターネット企業で起きた事案で、脆弱性が指摘されていたにもかかわらず、十全な対応を講じてこなかったという事案だ。事の重大性を考えれば、会見の開催そのものを手放しで賞賛するわけにはいかない。また、重要なのは、記者会見を開催すること自体にあるのではなく、そこで何を伝えたかである。
今回のような不祥事で、企業が果たすべき役割は、次の4つに整理できる。
2. 発生した問題の概要、およびその経緯についての説明
3. 問題が発生した原因の究明
4. 企業としての責任、今後の対応の表明
加えて、上記の4点に関する記者の質疑への具体的な回答を行うことも重要だ。
現時点で2、3まで十分な対応ができないのはやむをえないことだ。調査中で事実関係が明らかになっていないことや表に出せない事実があった場合は、その理由と今後の公表見通しを説明すればよい。会見の第1部は、少なくともこれらのうち謝罪や経緯説明について一定の役割を果たしていたと考えられる。


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