『mentor』は、末澤と磯村勇斗のダブル主演作品だ。2人が演じる拓海(末澤)と龍之介(磯村)は幼い頃にロケット花火で遊んでいたことがきっかけで火事を起こしてしまう。15年後、その火事で妻を失い、自身も大火傷を負った埜本(綾野剛)と拓海が再会。詫びる自分を優しく包み込む埜本に惹かれ、彼をメンター(指導者)として慕い出す――という物語だ。
このあらすじだけで、アイドルが主演する作品のイメージとは少し異なっていると感じる人も多いはずだ。
10月16日に全国204館で公開され、初週の興行成績ランキングで第5位にランクイン。公開 10 日間で動員18万人、興収2億9000万円を記録するというロケットスタートを切った。
企画したのは、以前も吉田監督作品を送り出しているスターサンズで、配給はエイベックス・フィルムレーベルズとの共同配給。東宝・東映など大手配給会社の作品が大半を占める興行ランキングの中で異例のヒットとも言える。
また、初週末(金土日)3日間の数字は、同じく吉田監督の『ミッシング』(2024年、257館/最終興収5.1億円)対比137%、『空白』(21年、201館/最終興収1.8億円)対比343%となっており、吉田監督作品史上最高の興行収入が視野に入る好調なスタートとなっているという。
ジャニーズ事務所時代からSTARTOのアイドルを主演に起用してきた
吉田恵輔監督は、初期は『さんかく』(10年)など、成人男性が女子中高生に恋心を抱く作品群でその才覚を世に現した。
一方、近年は、石原さとみが監督とのタッグを熱望して実現した、子どもが誘拐された家族を描く『ミッシング』、娘がひき逃げされた父と、そのきっかけを作ってしまった男性を描く『空白』など、「社会性がある」と評される作品が多い。吉田監督の作品なら必ず見るというファンも多く、筆者もその1人だ。
今回の『mentor』は、登場人物の身近な人が、突然、理不尽にいなくなる絶望を描くといった点で近年の作品と世界観やテーマは通底している。


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