一寿「僕は趣味がまったくなかったのですが、彼女を理解したくて、テレビで『タカラヅカ・スカイ・ステージ』(宝塚歌劇の最新舞台、過去の名作、オリジナル番組などを放映する宝塚歌劇専門チャンネル)を視聴するようになったんです。おもしろいんですよ、これが」
絵奈「私を理解したいとか、ないでしょ(笑)。品があって、きれいな人たちがたくさん出てきて、夫はそこに惹かれているみたいです」
一寿「確かにタカラジェンヌのたたずまいは美しいなと思います。僕は特にお芝居のあとのショーが好きです。ダンスと歌唱力を堪能できるので」
宝塚大劇場と東京宝塚劇場を中心に少しずつ北海道以外での鑑賞の回数が増えていった絵奈さん。札幌の他は必ず飛行機での遠征となり、宿泊費の節約は最重要課題となった。
絵奈「削れるところが宿代しかないんです。とにかく『安いところに泊まらなきゃ』って、男女共同のカプセルルームを誤って予約してしまったり、空港で海外の旅行者たちと共に朝まで過ごしたりした日もありました」
体を屈曲させながら夜を明かす妻を、夫はどう思っていたのだろう。
一寿「さすがに心配になって『大丈夫?』と聞いたんですが、妻はやめろと言っても聞かない人なんですよ」
ときには快適とは言いにくい状況で夜を明かした絵奈さんだったが、楽しい記憶もある。宝塚市で泊まったドミトリーで過ごした時間だ。
絵奈「宝塚市という場所柄、全国から宝塚歌劇を観に来た人たちが集まっていて、友達がたくさんできました。楽しい思い出がたくさんあるんですが、コロナ禍に突入してしまい、泊まっていたお宿がなくなってしまって。これがのちに、自分が民泊を始める動機にもなるんです」
水美舞斗の舞台に感化され北海道から宝塚市への移住を決意
宝塚歌劇を愛し、水美舞斗さんへの思いが深まるばかりの絵奈さん。ついに宝塚市への移住を心に決める。きっかけとなったのは、あるステージだった。

