そこで出された「人が集まれる場所がほしい」「世代を超えてつながれる機会がほしい」といった声を受け、2026年3月、ファミリーセンター前に交流スペース「LOG PORT」を開設。4月にはファミリーセンター2階に、住民が集まり、地域の活動や新たな交流を生み出す拠点「LOG STUDiO」を開設した。
つまり中山台で行われているのは、単に老朽化した商業施設を改修するだけの再開発とは少し違う。住民の声を聞きながら地域の課題やニーズを整理し、街に必要な機能や事業を組み立てることで、街全体の価値を高めようとしているのだ。
街の再生が「住宅ビジネス」につながる仕組み
なぜ住宅会社が、買い物や交通、住民交流にまで関わるのか。その答えが、パナソニック ホームズの掲げる「中山台循環モデル」にある。
同社がまず重視するのは、現在の住民が安心して暮らし続けられる環境を整えることだ。交通や買い物、生活支援などを充実させ、そのうえで住み替えを希望する人には、地域内で暮らし続けられる選択肢を用意する。
その具体策の一つが、地域内の移動を支えるモビリティだ。2026年10月8日には、トヨタ自動車の電気自動車「e-Palette」を活用した実証実験を開始。坂道の多い中山台で、既存の買い物バスのルートを試験走行するほか、移動販売などへの活用可能性も検証する。
将来的な自動運転の導入も視野に入れ、2028年度から地域に適した移動サービスを段階的に実装していく計画だ。
こうして暮らし続けられる環境を整えたうえで、住み替えなどによって空いた戸建て住宅をリフォームやリノベーションし、次の世代へつなぐ。そこに若年・子育て世帯が入れば、商業施設や生活サービスの利用も増え、地域の活力にもつながる。
同社が買い物や交通、コミュニティづくりまで手がけるのも、このためだ。住宅だけをリフォームしても、その街自体が「住みたい」と思われなければ住宅は動かない。暮らしやすさを高めることで住宅を流通させ、新たな住民を呼び込む。その循環によって街全体の価値を高めようとしているのだ。


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