それでも当時のマネージャーが若手の受け皿として立ち上げたのが、現在所属する事務所だった。どうにか活動の場はつながった――。
ただ、仕事が安定して入るようになったわけではなかった。芸人として最も収入がよかった年でも収入は2万~3万円ほど。
「お笑いでの収入は基本ゼロです。ライブに出たら出演料を払わないといけないのでむしろマイナスです」
売れない芸人にとって、ライブは収入にならない。主催者に出演料を払い、自腹で舞台に立つ。チケットの売り上げが戻ることもあるが、ごくまれな話だ。
バイト代で月収25万円 芸人を貫くため社員にはならず
東京生まれ東京育ち。実家でぬくぬくと暮らしながら夢を追いかける“クズ芸人”と思われても仕方ないしまだだーよさんは、一体どんな暮らしをしているのだろうか。
しまだだーよさんの生活を支えるのは、高校生の頃から20年以上続けているカラオケ店のアルバイトだ。主な勤務時間は夜10時から朝6時まで。週5日働き、厚生年金や社会保険、雇用保険、介護保険料などを引かれた後の手取りは月に約25万円になる。
肩書きはアルバイトだが、時間帯責任者として複数店舗を回ることも。スタッフのシフト管理から設備の修理依頼、ラストにはレジ金の管理までも行う。実態はほぼ社員に近い。
それでも社員にならない理由をしまだだーよさんはこう語る。
「社員になるとシフトの自由がなかなか利かない。そうすると芸人活動に支障が出てしまうので、今の雇用形態を続けています」
シフトは、ライブが決まる2週間ほど前までに提出する。予定通りなら仕事と舞台は両立できる。だが、急に入ったライブはそうはいかない。夜勤明けに一睡もしないまま昼のライブに出て、また夜の勤務に入ることもあるという。
「バイトを理由にお笑いを休まないようにしています。そこを妥協してしまうと、お笑い芸人と名乗ることができなくなるし、売れる可能性も潰えるので……」
取材を始めて数十分。ずっとのほほんと語っていたしまだだーよさんから、ようやく熱いコメントを聞くことができた。
だが――。貯金の話になるとまたもクズっぷりを発揮する。
勤務中の食事は、半額近くになる店のまかないで済ませることが多い。休みの日もコンビニのおにぎりを数個買う程度で食費はそれほどかからない。


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