その日のイベントは大盛況で幕を閉じた。その様子が地上波に流れると、県内外から「うちでもやってもらえないか」という問い合わせが増えていった。
「ボランティアではやらない」と決めている
「介護施設でディスコ」という試みが話題を呼び、さまざまな施設や団体から声がかかるようになった。障害者施設や放課後等デイサービス、自治体が主催するイベント、日本肝臓学会が主催する市民公開講座など、活動の場は多岐にわたる。
2025年からは厚生労働省が推進する「知って、肝炎プロジェクト」や「健康一番プロジェクト」とコラボし、全国各地を回るようになった。イベントの回数は月ごとに異なるが、「休みの日はほぼどっかに行っています」とのこと。
イベントの依頼を受ける際、大滝さんには大切にしている方針がある。それは「無償で引き受けない」ということだ。予算や段取りを事前に打ち合わせして、双方のメリットになるイベントづくりを心がけている。
「ご依頼いただく時に『え、ボランティアじゃないんですね』とか、『なんでボランティアにしないんですか』と突っ込まれる時もあります。昔の僕なら、そこで『じゃあボランティアでやりましょうか』って返事をしちゃってたと思うんですよね。
でも、それだと良いイベントはできない。僕は『高齢者向けのイベントだからこのくらいでいいや』にはしたくないんです。だからきちんと仕事として成立させるために、無償では受けないようにしています」
取材中、大滝さんは何度も「僕はおじいちゃん、おばあちゃんに対して手を抜きたくないんですよ」と言った。幼い頃から祖父母と過ごし、20年近く介護の現場で働いてきた人だ。プライベートの時間を削り、何人ものスタッフに協力を依頼し、準備を重ねて一つのイベントを作り込むのは高齢者へのリスペクトの表れといえるだろう。


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