ここ最近、日本国内の企業や公的機関などに対するサイバー攻撃が増加している。考えれられる理由にはさまざまなものがあるが、そのなかでもややセンセーショナルに伝えられたのが、サイバー攻撃にAIが活用されるようになった結果、これまでなら「日本語の壁」のおかげである程度難を逃れてきた、日本の企業や組織が標的に選ばれるようになったというものだ。
この発言は、10月8日に警察庁がランサムウェア攻撃グループ「Qilin(キリン)」の主導メンバーとするロシア国籍の男性の身柄を拘束したと発表し、それに関してQilinメンバーが日本の報道機関に発したコメントが主な根拠となっている。このコメントで、Qilinのメンバーは日本を「世界最悪のコンピュータセキュリティ体制を持つ国のひとつ」と評し、今後も企業や政府機関に対する攻撃が増加する可能性があると指摘した。
増加する日本国内のサイバー攻撃事案
一般社団法人JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)は、10月8日付の注意喚起で、9月前後に日本国内の組織で不正アクセスによる個人情報等の漏洩が相次いでいると報告した。
この注意喚起は、これまで断続的・散発的に発生していたランサムウェア攻撃等の不正アクセスとは異なり、大量の個人情報等の漏洩につながる攻撃パターンが特に増加している恐れがあることを強調するものだ。また一方で、すべての事件が同じ攻撃者や同一の攻撃手法によるわけではないことも指摘している。
ロイターが2026年10月9日に報じたTrendAI(Trend Micro子会社)のデータによると、日本国内で記録されたサイバーセキュリティ関連の事案は26年9月に86件となり、8月から約18%、7月からは37%増加した。また、26年1〜9月に発生したサイバーセキュリティ関連事案の累計は、すでに25年通年の数を上回ったとされている。
日本のサイバーセキュリティ企業S&Jの社長、三輪信雄氏はロイターに対し、「AIは疲れることがない。いま日本は実質的に『絨毯爆撃』を受けているような状況だと考えられる」と述べ、さらに「かつては海外のハッカーに対する障壁になっていた言語などの壁を、AIがほぼ取り払ってしまった」との考えを示した。


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