日本国内の報道においても、複数の国内のサイバーセキュリティ企業が、攻撃者がAIによって「日本語の壁」を超えやすくなったと述べていた。
これはおそらく、サーバーなどへの侵入を試みる前の段階で使われる、フィッシングメールなどにおいて、機械翻訳を使った不自然な日本語の文章では人々に警戒されやすかったからと考えられる。
また、ランサムウェアによる攻撃においては、被害組織との連絡や身代金交渉において言語が障壁となる場合がある。標的の企業や組織のシステムのロックを解除するための身代金交渉をするにあたっても、英語圏の国のほうが交渉がしやすいということもあった。しかし生成AIによって自然な日本語の文章を作成しやすくなったことは、こうしたコミュニケーション上の障壁を低くする可能性がある。
しかしいまや、AIを駆使することで自然な日本語の文章を生成でき、身代金の交渉も、以前より簡単になっている。この傾向は、23年2月にサイバーセキュリティ企業のBlackBerry Japanが発表した、22年第4四半期グローバル脅威インテリジェンスレポートのなかですでに、「これまで、日本は言語の壁などによってサイバー攻撃の標的にされにくいと言われていたが、世界で2番目に多く攻撃を受けていたことがわかった」と報告されていた。
日本国内のAIの安全性の評価手法の検討等を行う政府機関であるAIセーフティ・インスティテュート(AISI)も、25年10月の報告書で「言語の壁で守られていた(言語の違いにより海外からの攻撃が成立しづらかった)日本を代表とする国々が主な標的となっていることを観測しており、2024年度の新規フィッシングメールのうち、約8割が日本語で記載されたものとなっている」と指摘している。
海外におけるサイバー攻撃の傾向
では、日本以外の国ではサイバー攻撃は増えているのだろうか。ざっと調べてみたところ、隣国である韓国でも、このところ、サイバー攻撃が頻発している模様だ。
ロイター通信は、韓国国内の26年上半期のサイバーインシデント報告が1236件を数え、前年同期比20%増となったと報じている。その内訳としては、特にDDoS攻撃が56.7%の増加、ランサムウェア攻撃が76.8%の増加となっている。
これらは26年上半期の統計情報であり、9月以降についての比較ではない。ただ、9月下旬から10月上旬の間にも、韓国では少なくとも9行の銀行がサイバー攻撃を受けている。


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