女性の30歳時未婚率をランキングすると、トップ10には、1位東京、4位神奈川、7位埼玉、9位千葉と首都圏は全部入り、ボトム10には九州4県(大分、長崎、宮崎、佐賀)が入り、男性の50歳時未婚率と傾向が似た形になります。

「50歳時未婚率が高い地域」とは「50歳時点で結婚しない人が多い地域」であることは間違いないが、女性の場合は、必ずしもそれが「出生率が低い地域」と同一にはならないという点が興味深いところです。つまり、出生率の多寡を決定するのは、50歳時未婚率という累積結果指標ではなく、結婚と第一子出生時期のタイミング(年齢)に大きく影響されるということでしょう。30歳時未婚率で比較すれば、少なくとも、西日本は東日本よりも若いうちの結婚が多いことは確かです。
とはいえ、西日本であっても、大阪や福岡など大都市は30歳時未婚率が高く、日本全体の少子化を考える上では、未婚の若者の人口ボリュームの大きい大都市における30歳時未婚率の改善が必要になると言えます。ちなみに、大都市の中では愛知の30歳時未婚率は全体より低い35位となっており、これが愛知が大都市でありながら出生率が健闘している理由でもあります。
50歳時未婚率とは、今後これ以上の年齢で初婚する可能性は統計上低いという基準の下、生涯を未婚で終える人の割合なので、それはそれとして把握しておく必要はありますが、50歳時未婚率は「20年前の傾向の累積結果」であり、これだけを見て、「日本人は結婚しなくなった」と論じるだけでは、ただの「20年遅れの感想」に過ぎません。こと少子化の視点で未婚率をとらえるならば、結果としての50歳時未婚率ではなく、現時点の30歳時未婚率の動向を見ることが重要になります。
少子化を止めたいなら、50歳になった人を見ていても遅い。これから結婚し、これから子どもを産む世代が、30歳を迎えるまでにどれだけ結婚できているのかを見る必要があります。
若い20代のうちに「結婚したい」と思っている若者が結婚できない
2025年の女性の30歳時未婚率は全体で55%と、これも過去最高を更新しつつあります。東京に至っては64%に達します。東京の女性は3割強しか30歳までに結婚できていないということです。
2024年時点でも女性初婚の最頻値年齢は26歳で実は長年変わっていません。にもかかわらず、平均初婚年齢が29歳を超えるのは、晩婚数が増えたのではなく、この最頻値年齢周辺の20代の初婚が減り続けていることによります。つまり、問題は、選択的な晩婚化にあるのではなく、若い20代のうちに「結婚したい」と思っている若者が結婚できないという不本意未婚化にあります。
東日本と比べれば西日本の30歳時未婚率は低いですが、傾向としては西日本も年々この未婚率が上昇していることも確かで、少子化対策において見るべきはこの30歳時未婚率の改善にあると言えるでしょう。


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