ただ、精神科に通うようになってからも、信頼できる医師に診てもらえるとは限りませんでした。なかには「お父さんは、あなたのことを考えてくれている」などと言い、智史さんを責め立てる医師も。とても口惜しい思いをしたということです。
智史さんの精神状態がいよいよ悪くなり、初めて精神科に入院したのは、高校3年生のときでした。当時の主治医に「父親から離れたほうがいい」と言われたことがきっかけです。
その後、智史さんは高校を中退し、大検に合格したあと大学に進学しています。2度目の入院は大学1年のときで、「父親からの嫌がらせが頂点に達した」時期でした。
父親に首を絞められかけ…
父親から殴りかかられ、首を絞められかけた智史さんは、そのまま家を出て、友達の家などを転々とすることに。この間、信頼していた友人からも「裏切られた」と感じる出来事があり、ぼろぼろの状態で病院を訪れたのです。
「すぐ入院したんですが、頭に激痛が走って動けなくなり、しばらくはベッドから起き上がれないくらいでした。頭がすごくハードに動きすぎていたからかわからないんですが、ふらふらで死にかけていた感じです。このときの状況は、見てもらわないと説明しにくいです。医師からは『あと1週間遅かったら命にかかわっていた』と言われました」
入院すれば、当然ながら家族にも連絡が入ります。しかし、父親は息子を心配するどころか、母親を通して「4年でしっかり卒業するように」と念を押してきました。誰のせいでこうなったと思っているのか――。「反吐(へど)が出るくらい腹が立った」と、智史さんは言います。
その後、大学は4年で卒業こそしましたが、心身の不調から再びダウン。働けない時期が数年間あったということです。
長い間、フラッシュバックなど心の問題に悩まされてきたのは、「小さい頃からいじめや嫌がらせを受けやすく、だまされたり、ひどい目に遭ったりすることが多かったから」ではないかと、智史さんは考えています。


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