このアクティブ・ノイズ・コントロールには「ゾーンコントロール機能」により、後席を集中して静かにするモードが設けられた。この効果は絶大で、走行中、ドライバーとの会話をしながらスイッチのオン/オフを繰り返したが会話明瞭度は大幅に高められた。スイッチオフでは意図的に大声でしゃべる必要性があったが、スイッチオンにすると2列目の同乗者と会話するイメージで、ドライバーとの会話がちゃんと成り立ち、互いに聞き返すこともなかった。ここも地味にうれしい。
初代から4代目までの積み重ねを振り返る
初代エルグランドが発売された1997年5月。筆者は今回のようにメディア向け試乗会に出向いた。当時の原稿を振り返ると「新しく誕生したエルグランドは大柄なボディだがガマンすることがない。前身のキャラバン/ホーミーが1988年に行ったマイナーチェンジの際に追加したGTシリーズの流れをしっかり受け継いだ」と記している。
GTシリーズとは、当時ワンボックスと称していた国産同カテゴリーのなかで、初めてV型6気筒3.0Lエンジンを搭載した特別グレードだ。日産自ら「従来のワンボックスにはない高次元の新しい走りの世界」(当時のプレスリリースより)と謳うように、「速くて、ゆとりあるワンボックス」という新しいジャンルを確立し、多くのユーザーに受け入れられた。新型エルグランドのIDSのように、荷重感応型電子制御サスペンションと車高センサーを組み合わせたことも当時、話題となった。
4代目となった新型エルグランドでは、第3世代e-Powerとe-4ORCEの共演が生み出す優れた走行性能、そしてIDSをはじめとしたシャーシ性能がもたらす快適性能が武器だ。一見すると同クラスの王者として君臨するアルファード/ヴェルファイアに立ち向かう飛び道具のように思えるが、その実態は40年近い年月を歴史として積み重ね、日産こだわりのメニューとしてまとめ上げた、まさしく「技術の日産」そのものだったのだ。


※ログイン後、コメント入力が可能です。