三重県鳥羽市の穏やかな鳥羽湾に面した小高い丘に、かつて鳥羽城が建っていた。
鳥羽城は東と南が海に面し、北と西には堀を掘削して海水を引き込み、城の周囲を水で防御した。大手門は海側へ突出して築かれ、水門が設けられている。この独特の構造から、「鳥羽の浮城」「海城」とも呼ばれた。
白と黒に塗り分けられた「鳥羽城」
海に面した城はほかにもあるが、鳥羽城にはもう一つ変わった特徴があった。海側は黒色、山側は白色と、真逆の色で塗り分けられていたのだ。
なぜわざわざ、色を使いわけたのか? それは、江戸時代初期に入城してきた城主が影響している。
鳥羽城を最初に築いたのは、戦国時代に九鬼水軍を率いた九鬼嘉隆である。
豊臣秀吉の家臣として伊勢・志摩3万5000石を賜った嘉隆は、妙慶川南岸に突き出た城山に海城の築城を開始し、文禄3(1594)年に完成させた。


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