有料会員登録
ライフ #見た目の科学 人はなぜ“外見”に翻弄されるのか

「笑ってて無理」 WEST.解散動画《重岡大毅の笑顔》に賛否のワケ…同じ表情が善悪に反転する"思い込みの応酬"という作用

7分で読める
WEST. 重岡大毅
8月26日には34歳の誕生日をメンバーに祝ってもらい、笑顔を見せていたWEST.の重岡大毅(画像:WEST. 公式TikTok @wearewest7より)
  • 宮本 文幸 「見た目」戦略研究家/桜美林大学ビジネスマネジメント学群教授
2/4 PAGES
3/4 PAGES

今回のケースに当てはめれば、「本人がこれまでどれだけムードメーカーとして頑張ってきたか」を重視するファンほど、同じ笑顔を「強がり」という文脈で補完し、逆にその背景よりも「今この瞬間にふさわしい態度」を重視するファンほど「笑うべきではなかった」という規範で解釈してしまう、という構図が見えてくる。

8月9日に結婚を発表して物議を醸した、WEST.の重岡大毅(写真左)と濱田崇裕(画像:STARTO ENTERTAINMENT公式サイトより)

人の表情も、私たちは勝手に“パッケージ”にしてしまう?

筆者は長年、資生堂にて化粧品や日用品のパッケージデザインの研究に携わってきた。その中でたどり着いた知見の1つが、消費者は商品パッケージを見るとき、脳内で人の顔を見るときと同じ情報処理を行い、そこに人格や物語を勝手に投影してしまう、というものだ。無機質な容器のデザインからでさえ、人は「誠実そう」「攻撃的」といった性格を読み取ってしまう。

今回のケースは、いわばその逆の現象が起きていると捉えることもできる。

「重岡の表情」という生身の情報に対して、視聴者側が「ムードメーカーとしての強がり」あるいは「空気を読めない無神経さ」という、あらかじめ自分の中にある“物語のテンプレート”を勝手に当てはめてしまっているのだ。

商品パッケージが受け手にとって“顔”になるのと同じように、人の顔もまた、受け手にとっては自分の期待や思い入れを映し出す“パッケージ”になりうる――これは筆者の研究の延長線上にある1つの仮説であり、まだ実証されたものではないが、「見た目」を介したコミュニケーションが、送り手の意図よりも受け手の解釈の枠組みによって決まってしまう場面は、モノでもヒトでも変わらないのかもしれない。

4/4 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数