馬が歴史を大きく動かした使い方には、主に2つあります。
一つは、戦車を引かせることです。
紀元前2000年ごろになると、軽いスポーク車輪を備えた戦車が現れます。その後、ヒッタイトや古代エジプトなどでは、馬に引かせた戦車が戦場の主役になっていきました。
人間が走るよりはるかに速く移動し、高い位置から弓を射る。現代でたとえるなら、それまで徒歩中心だった戦場に、突然、高速で動く車両が投入されたようなものです。
もう一つが、馬に直接乗ることです。
いまの僕たちは「騎兵」と聞くと、馬上で槍や刀を自在に振るう姿を思い浮かべます。しかし、それは決して簡単なことではありません。
馬は揺れます。しかも、走ればさらに激しく揺れます。その上で手綱を操り、周囲を見渡し、武器を扱わなければならない。乗っているだけでも技術が必要なのに、そこで戦うとなれば、要求される熟練度は一気に上がります。
鎧によって騎兵は進化した
その難しさをよく示しているのが、鐙です。
考古学的に確かな初期の鐙は、4世紀ごろの東アジアで確認されています。ヨーロッパに広く伝わるのは、さらに後の6〜7世紀ごろでした。
もちろん、鐙がなければ騎兵が存在できなかったわけではありません。古代にも強力な騎兵はいました。


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