人工知能(AI)端末がスマートフォンに続く「ポスト・スマホ」時代を切り開くと期待する企業が相次いでいる。一方、世界各地でプライバシーを巡る懸念が高まっており、この問題が新たなテクノロジーの普及を遅らせる可能性もある。
特に強い反発を受けているのが、メタ の「レイバン」スマートグラスだ。この眼鏡は、アイウエア大手エシロールルックスオティカ の流行を取り入れたデザインと、「パーソナル・スーパーインテリジェンス(個人に最適化され能力を拡張してくれる超高度AI)」を追求するメタのAIを組み合わせることで、スマートグラスを一般消費者に広く普及させた。
この眼鏡は、AI搭載端末に対する不安の象徴にもなっている。裁判所ではプライバシーを巡る訴訟が審理され、利用者の間では知らないうちに撮影されることへの不安が広がる。批判する側からは、AI搭載グラスが至るところで使われるようになれば、匿名性や同意に対する従来の期待が損なわれかねないとの批判もある。
英国では大手パブチェーンのウェザースプーンを含む複数の施設が、こうした端末の使用を制限している。
メタは23日の「Connect」カンファレンスで、カメラを搭載しないスマートグラスを発表した。6000億ドル(約94兆8000億円)を超えるスマホ市場の一角を狙う企業にとって、機能性とプライバシーをどう両立させるかという難題が浮き彫りになった形だ。
端末メーカー各社はこうした懸念を乗り越えようと、眼鏡やピン、ペンダント、スマホに磁石で取り付ける音声レコーダーなど、さまざまな形態を試している。ロイターが十数人のテクノロジー企業幹部、アナリスト、法律専門家に取材したところ、一部の企業では一般消費者向けよりも法人向けの方が早く普及しているという。
プライバシーを巡る議論の行方は、テクノロジー企業が「次の主要コンピューティング・プラットフォーム」と位置付ける市場の将来を左右しかねない。企業が社会の信頼を得られなければ、常時作動するカメラやマイク、周囲の状況を認識する機能など、AIウエアラブル端末を便利にしている特徴そのものが、普及を阻む要因になる恐れがある。
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