9月1日、俳優の中村ゆりさんが直腸がんのため44歳で亡くなった。所属事務所によると、中村さんは病気の治療を続けながら俳優活動を続けており、近年まで映画やドラマに数多く出演していた。彼女の早すぎる死を悼んで、日本中が深い悲しみに包まれている。
中村さんは14歳でオーディションに合格し、1998年にMARIとのアイドルデュオ「YURIMARI」の一員として歌手デビューを果たした。当時は10代の若者らしい明るさや勢いを前面に出していたが、人前でテンションを上げるのが苦手で、アイドルとしての生活には行き詰まりを感じていた。
アイドルイメージを払拭して俳優へ
グループ解散後は約3年ほど芸能界から離れ、活動を休止していた。その後、俳優として活動を再開することになった。芸能界では、若くしてアイドルや歌手として注目された人が、そのイメージを引きずったまま役者の道に進むことも少なくない。しかし中村さんは、かつての知名度やキャラクターを利用するのではなく、役者として一から地道に評価を積み上げる道を選んだ。
彼女にとって大きな転機となったのが、2007年の映画『パッチギ!LOVE&PEACE』である。中村さんはヒロインのキョンジャを演じ、全国映連賞女優賞、おおさかシネマフェスティバル新人賞を受賞した。
この作品で印象的だったのは、感情を表に出しすぎない抑えた演技だった。強いドラマ性を持つ作品の中にあっても、中村さんは人物の悲しみや葛藤を大げさな表情や台詞で説明するのではなく、視線や間、たたずまいの中に残していた。その後のキャリアを考えると、すでにこの頃から中村ゆりという俳優の特質ははっきりしていた。
中村さんに関して「薄幸な女性の役が似合う俳優」と言われることがある。本人も過去のインタビューでそのような役を演じることが多いと語っていたこともある。しかし、その魅力を単に「薄幸系」という言葉だけでくくるのは正確ではない。


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