ところが、オーストラリアに着いた瞬間、「これはやばい」と思いました。英語も話せず、異文化の中に放り込まれたような感覚だったんです。父からは卒業するまで帰ってくるな、一定の成績を取らなければ学費は払わないと言われて、必死に勉強しましたね。
大学では文系でしたが、エンジニアを選んだのも姉の勧めです。働きながらITの修士号を取り、技術を身に付けていきました。
なぜセキュリティの道に進んだのか…
――実際にエンジニアとして働いてみて、どんなところに面白さを感じましたか。
もともと論理やパズルが好きだったので、ぼんやりしたものを構造化して、ロジックにして、システムへ落としていく仕事は「ピタッとはまった」という感覚でした。課題や論点を見つけて、解決策を考えることが得意だったのは、今の仕事にもすごく役立っています。
――まだセキュリティの専門家が少なかった頃に、この分野へ進んだのはなぜですか。
当時、女性だと新しいプロジェクトなどの機会を与えられにくいと感じることがありました。その中で私が面白さを見つけたのが、誰もやりたがらなくても、社会や組織として必ず解決しなければならない課題だったんです。リスクがあるとか、そんなことをやっても面白くないんじゃないかと思われている仕事でも、私は「とりあえずやってみようかな」と入っていきました。
当時、セキュリティは今のように確立した分野ではありませんでしたが、そこからキャリアを積んできたので、セキュリティと一緒に育ってきたような感じですね。
――その後、国連で働くことを選んだ理由と、そこで担った役割を教えてください。
経済協力開発機構(OECD)で国際公務員として働いた後、出産や子育てもあり、民間企業で働いたり、フリーのコンサルタントとして仕事をしたりしていました。カナダでは、コンサルタントとして関わっていた保険会社に正式に勤務しました。そのまま働き続けることもできましたが、もっと国際的な仕事を通じて社会に貢献したいという思いがあり、国連に入りました。


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