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まるで秘境探検!ぐらりと傾く手作りいかだで湖を渡り、全国で6基だけの《異形のダム》へ…間近で見た"圧巻の光景"

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手作りいかだ
湖畔で待つ手作りいかだ。ここから“小さな冒険”が始まる(写真:筆者撮影)
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もともとそこにあったものが、外から来た力で初めて資源になる——片品村では、そうした出来事が繰り返し起きているようだ。

合理性と、外から注がれる熱量

丸沼ダムが90年以上前の姿を保っているのは、地域の愛情や技術者の使命感といった、美しい物語だけでは説明できないことがわかった。造り替えるより維持するほうが経済的に合理的だったこと。川が流入しないという地形の幸運。そして、次の世代へ引き継いでいくという管理者としての意識。これらが積み重なって、今の姿がある。

だが、丸沼ダムに新しい価値を見出したのは、トムソーヤ号を思いついた人たちのように、いつも外から来た人たちだった。その熱量は今も続いていて、倉田さんによれば、観光協会にダムカードをもらいに来る人がいない日は、知る限り一日もないという。

丸沼ダムの通常版ダムカード(左)。片品村内の宿泊施設に泊まった証明があればもらえるプレミアムダムカード(右)はホログラム加工が施されている(写真:筆者撮影)

そして近年は、それがさらに大きな流れへと広がりつつある。菅沼・丸沼のSUP(サップ)体験をSNSに投稿する若い世代の存在も、近年の変化として挙げられた。

取材の最後に立ち寄った道の駅「尾瀬かたしな」では丸沼ダムをかたどった「ダムカレー」が販売され、レジ横には御朱印ならぬ「ダム印」も並ぶ。

道の駅尾瀬かたしなで販売されている「丸沼ダムカレー」。ワッフルでバットレス構造を表現している(写真:筆者撮影)
丸沼ダムの「ダム印」。全国に約2700基あるダムの中でもダム印があるのはまだ一部だ(写真:筆者撮影)

ダムカレーもダム印も、地元で古くから親しまれてきたものではなく、近年全国的に広がる「ダム活」ブームの延長線上で生まれたものだという。丸沼ダムという構造物そのものは90年以上ほとんど変わっていないのに、それを味わい、集め、SNSに投稿するという新しい楽しみ方だけが、外からどんどん付け加えられてきた。

丸沼ダムを今の形にとどめているのは、紛れもない合理性と偶然、そして管理者としての意識だった。しかし、その姿に何度も新しい光を当て、今日まで人を引きつけ続けてきたのは、地元の情熱と、そこに重なる外からの視線だったと言える。

静かな水面の上で、トムソーヤ号は今日も訪れる人を待っている(写真:筆者撮影)
最初から読む→→→前編:標高1400mの山奥に現れる《謎めいた巨大建造物》…「人件費よりコンクリが高い」90年前に誕生した“異様な構造”

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