大井町では、1981(昭和56)年に「大井町駅周辺地区再開発基本構想」、1987(昭和62)年に「大井プレイス構想」、2011(平成23)年に「大井町駅周辺地区まちづくり構想」、2020(令和2)年に「大井町駅周辺地区まちづくり方針」が策定され、再開発が進められてきた。
しかし鮫洲はマスタープランにおいて、地域生活拠点にすらなっていない。
旧東海道に関しては、1988(昭和63)年に旧東海道品川宿周辺まちづくり協議会が設置され、1994(平成6)年に「旧東海道品川宿周辺整備基本構想」が策定されたが、その内容は歴史的な街並みを保全・整備するものであって、大規模開発を進めるようなものではない。
再開発の必然性が生まれなかった街
鮫洲は大井町と品川シーサイドに挟まれ、4駅先には品川駅がある。再開発が進むこれらの拠点に囲まれた立地は、裏を返せば、大規模な商業・業務機能を担う必要のない立地でもあった。買い物をする場所も、働く場所も、隣の拠点が引き受けてくれるからだ。
だから鮫洲では再開発のフックが働かず、品川区のマスタープランでも拠点に位置づけられなかった。
将軍に鮮魚を納めた猟師町であり、やがて運転免許試験場の街として旧東海道を中心に賑わいを見せた鮫洲は、高層ビル群に置き換えられる必然性が生まれないまま、今の姿にたどり着いたのだ。


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