改修を担当した八清は、時間のかかる接道許可を取得しなくても、建築審査会で許可を得られるとのことだったため、新制度第1号案件となることを意識して同制度を利用、前述の建物を大規模修繕した。
残念ながら、新制度ということで当初想定していた以上に時間がかかったそうで、「新制度の利用を増やしていくためにはプロセスを整理、利用していく必要はある」と同社の西村さん。「それでも京都市はこれまでも京町家の活用に関しては熱心に状況を整えてきているので、そこに期待したいところです」。
京町家だけではない、再建築不可物件に開かれた道
また、この法改正が及ぶのは当然ながら京町家に限らない。再建築不可物件は価格が安いこともあって、これまで改修を経て投資家に使われるなどしてきたが、2025年に建築基準法が改正。大規模改修、模様替えなどに建築申請が必要になったことから活用には停滞感がある。
そこに省エネ性能の向上を目的とした法改正が建築物に福音をもたらすのは長年、鍵で開けようとしていたドアがある日、突風に煽られて開いてしまったようで、いささか複雑な気分ではある。とはいえ、使える法律なら何でも使い、使われにくい、あるいは使われなくなった建物を活かしていただきたいところ。
問題は特定行政庁、つまり市町村長または都道府県知事がこの改正をどう生かし、役に立つ制度にしてくれるか。市街地の空き家、空き家予備軍を使える不動産にするために頑張っていただきたいものである。
(*)建築基準法に基づく許可や認定、違反建築物への是正命令などを行う地方公共団体の長(市町村長または都道府県知事)のこと


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