アメリカでは1999年当時、5%程度だったビタミンDのサプリメント摂取者が2023年には30%程度まで伸びているというデータもある。日本に比べ、ビタミンDに対する意識は圧倒的に高い。
健康医療ジャーナリストの西沢邦浩さんによると、「イギリスには『ヘルシースタート』という制度があり、(低所得の妊婦向けに政府からビタミンDを含む栄養を摂るよう案内があり)母子の栄養状態にきちんと配慮する仕組みもある」と指摘する。
「『アルプスの少女ハイジ』で、クララがスモッグに覆われたドイツ・フランクフルトで日光にほとんど当たれずくる病になってしまい、アルプスに来て日光を浴びたら回復したという描写がある。子どもの頃は『そんなものか』くらいにしか思っていなかったが、今は日本でも実際くる病の子どもが増えてきているわけです」と西沢さん。
肥満もビタミンD欠乏の要因の一つ
名作アニメの「クララが立った」名シーンが、まさかビタミンD不足と結びつき、現代日本の健康問題への注意喚起になるとは、当時は思いもしなかった。
しかし、朗報もある。「ビタミンDは徐々に積み上げて蓄えられ、ゆっくり放出されるので、『ビタミンD貯金』できる」(桒原さん)という。
夏場の美容に欠かせないビタミンCは、余分な量はすぐに尿として排出され、体内に貯められないため、毎日こまめに摂取する必要があることは、美容好きな女性たちには有名だ。
一方、1文字違いのビタミンDは、余った分は脂肪に蓄積されるという特性があるという。
ただ、ビタミンDは脂溶性のビタミンであるため、脂肪の吸収不良がある人は濃度が低くなりやすい。つまり、肥満もビタミンD欠乏の要因の一つと考えられている。
ビタミンDは脂肪細胞に蓄えられるが、脂肪が多すぎるとビタミンDが希釈されるため「脂肪が多すぎてもよくない」ことは知っておいた方がよいだろう。
逆に「若年女性を対象にビタミンD欠乏リスクのスクリーニングツールを作成した際に浮かび上がった要因としては、BMI18.5未満、つまり低体重も1つの要因だった」(桒原さん)とのこと。総摂取エネルギーが少ない=食事量が少ないため、それに伴ってビタミンDの摂取量も少なくなると考えられるという。
太りすぎも、痩せすぎも、ビタミンD貯金には不利になる。
健康に食べ、足りなければサプリメントで補う。そして、日焼け止めを使いながら、少し暑さがやわらぐ9月以降には屋外での活動を増やして、ビタミンD貯金をしてほしい。


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