──「ノーベル経済学賞は一種のお祭りである」と書かれています。
経済学賞はノーベル賞としては最後発で、正式には「アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン国立銀行賞」という。賞金はスウェーデン国立銀行が提供するが、選考・授賞はほかの賞と同様に行われている。
日本でも非常に注目度が高く、16年に消費税引き上げが議論された際は、当時の安倍晋三首相がノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツやポール・クルーグマンに助言を求めたことが話題になった。
毎年秋には、受賞者予想が盛んに行われる。たいへんな名誉であるだけに世界の有力研究者が自身の受賞を期待する。アカデミックな世界では、ノーベル賞の話題で盛り上がるのが年中行事だ。
──そのお祭りの見方を示すのが本書であると。
ノーベル経済学賞は祭りであると同時に、以降の経済学を方向づける機能を持つ。だから、祭りへの理解は全体への理解につながる。
例えば02年は、「人は合理的ではない」との前提で経済を分析する「行動経済学」分野のダニエル・カーネマンと、理論や仮説を実験によって検証する「実験経済学」分野のヴァーノン・スミスが共同で受賞した。今では、行動経済学と実験経済学がセットで見られるのは普通のことになったが、当時は「なぜこの2分野に同時授賞?」と多くの経済学者が、そして僕自身も、疑問を持った。
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