そこで注目されるのが、次期臨時国会での各党の勢力図だ。
中道から公明党出身議員が離脱した場合、衆院の野党第1党は28議席を有する国民民主党と公明党の2党となる。ただ、衆院の野党第1党が全議席(465)の1割にも満たないという勢力図は「本来ありえないし、想定外の異常事態」(衆院事務局)だ。
そもそも中道という政党は、衆院選直前の今年1月、極めて唐突に公明党と立憲民主党の衆院議員が合流して結党した。その段階では、将来的な参院議員や地方議員の「合体」も目指す方針だった。
しかし、2月の衆院選で議席が約7割減となる大惨敗を喫したことで、合流を推進した野田佳彦、斉藤鉄夫両共同代表(当時)が引責辞任。後任に選ばれた立憲民主党出身の小川氏が、改めて合流の可否について「8月末の結論」を目標に立憲民主党と公明党との協議を進めてきたというのがこれまでの経緯だ。
今回の合流断念について、中道幹部は「政権の受け皿づくりを目指す非自民勢力の結集は、希望の党、新進党に続く挑戦だったが、結局、『3度目の正直』ではなく『2度あることは3度ある』になった」と肩を落とした。
敵失にほくそ笑む高市自民党
今回の中道の解体・分裂が想定どおりに進行すれば、高市早苗首相が政権の命運をかけて次期臨時国会に提出する、消費税減税関連法案をめぐる与野党攻防の構図も一変することになる。
政界関係者の間では「3党連携のしがらみから脱した公明党が、消費税減税関連法案に賛成する」(自民党の政調幹部)との怪情報も飛びかっており、「臨時国会で消費税減税関連法がすんなり成立する可能性も出てきた」(自民党の国対幹部)という。
野党の多弱化がさらに拡大することになり、「政治力学から見ると、高市政権をさらに安定化させる」(政治ジャーナリスト)結果となりそうな一連の事態。夏以降のさらなる支持率下落を恐れていた高市首相にとって、「中道分裂が最大の援軍になるという、極めて皮肉な展開」(自民党長老)となるのは間違いなさそうだ。


※ログイン後、コメント入力が可能です。