理由は費用と人材確保の問題があるからだ。英語での授業を前提とする国際バカロレアでは多くの外国人雇用が必要になるし、日本語DPでも国際バカロレアのカリキュラムを実施するので、その力を備えた教員を確保しなければならない。それは簡単ではない。
第一商業改編での国際バカロレアコースでは、そのために特別な人材だけを集めることをしないで、「都立高校教員の通常の人事異動の一環として配置」(都教委改革推進担当)する予定だ。例えば、商業高校で教えている教員が講習などを受けたうえで国際バカロレアコースの担当になる、ということもありうる。それはそれで、教員の負担になる可能性もある。ともかく、その方針で動きはじめている。
「国際金融コース」を設置する背景
もう1つの国際金融コースは、どうなのか。設置の背景には、東京を世界トップクラスの国際金融都市にするという東京都が掲げている構想がある。それを支え、活躍する人材の育成を目指しているわけだ。
商業高校は高度経済成長期には企業で働く「即戦力」を育成する役目を果たしてきたが、それと同じように国際金融という職場での即戦力を目標にしているのだろうか。
その疑問に対する都教委改革推進担当の答えは、「国際金融についての学びは高校段階で完結できるものではなく、さらに大学で深めていく必要があるので、国内外を問わず大学の経済系の学部に進学してもらいたいと考えています」というものだった。大学進学を目標にしていることになる。
第一商業の商業科を普通科に改編するのも、じつは「大学進学」が大きく関係している。高校を卒業するためには74単位以上の修得が必要とされているが、商業科の場合は74単位のうち25単位以上を簿記などの専門教科・科目から修得することになっている。はっきり言えば、大学入試には関係のない科目が多すぎる。
「大学入試にそなえるには25単位は『足枷』になるので、それをはずすために普通科にします」と、都教委改革推進担当も説明する。


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