前出の「都立高校の魅力向上等に係る懇談会」でも、商業高校のニーズが大学進学にシフトしてきているという指摘がされていた。
かつては、信用金庫といった地元金融機関などの即戦力としてのニーズがあったが、今は金融機関の窓口担当者が急減するなど環境が大きく変わってきている。そのため商業高校を卒業しても、就職ではなく大学進学を選ぶ割合が増えてきている。
そういうニーズに応えれば、大学進学を目標にしての志願者が増えて、倍率が上がる可能性もある。そのためにも、商業科から普通科への改編が必要だったといえる。

国際バカロレアコースは、すでに開設準備室が設立されて準備が進められている。しかし国際金融コースでは、まだ開設準備室が設けられていない。
理由は、「何をやるか」が定まっていないからだ。国際バカロレアは国際バカロレア機構が定めているカリキュラムがあるので、そのカリキュラムの実践する方法を考えていけばいい。
そうした既存のカリキュラムが、国際金融コースでは存在していない。なにしろ国際金融コースは都立高校としては初めての試みであり、どういう内容にしていくかは現在、教育委員会で詰めている最中だという。都教委改革推進担当の説明が続く。
「金融というと、『どう儲けるか』というゲーム的な発想になってしまいがちです。デイトレーダーを養成するようなイメージもあるかもしれませんが、そういうことは考えていません。経済というものを数字とか情報でとらえて分析していく力の基礎を養成することを考えています。そのためには、英語力も重視していく予定です」
全国的に商業高校は大きな転換期を迎えている
第一商業が改編されて誕生する高校は、28年度に国際バカロレアコース25名、国際金融コース135名という定員枠でスタートする。全国の商業高校は、社会や生徒・保護者ニーズの変化などで大きな転換期を迎えている。これによって都立高校の魅力化につながっていくことが実証されれば、同様の改編はほかでも行われていくことになるかもしれない。


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