その国際バカロレアは、都立では国際高校ですでに実績があり、同校の国際バカロレアコースの26年度における倍率は5倍と高い人気を誇っている。そこに都教委としても期待しているようで、都教委改革推進担当も次のように話す。
「あれだけの倍率を国際高校が出しているということが、やはり国際バカロレアコースをつくる裏付けになっています」
英語DPではなく「日本語DP」の理由
ただし第一商業改編で新設される国際バカロレアコースは、国際高校とまったく同じではない。国際バカロレアには16歳から19歳までを対象とするカリキュラムであるDP(ディプロマ・プログラム)があるが、それにも全教科を原則的に英語で行う英語DPと主要科目を日本語で学べる日本語DPがある。国際高校は英語DPを実施しているが、第一商業改編の学校では日本語DPを行う予定だ。
「英語DPでは英語の授業を聞いて考え、話さなければならないのでネイティブ並みの英語力が必要になってきます。普通の中学校に通っている生徒にとっては、いくら英語が得意だといっても狭き門でしかありません。その敷居を日本語DPなら下げることができるし、国際バカロレアの裾野を広げることにもつながります。そういう理由で日本語DPを選択しました」と、都教委改革推進担当は説明する。
対象の幅が広がれば、国際高校以上の志望者を集められる可能性もあり、そこに都教委としても期待していることになる。
それほど国際バカロレアが魅力化につながるという判断をしていることにもなるのだが、それなら都立高校の多くに国際バカロレアコースを置けば、私立高校の授業料無償化で人気が落ちつつあるという都立高校の魅力化につながるはずである。
しかし都教委は、国際バカロレアコースを都立高校全体に広げることに積極的ではない。29年度に東京都港区白金に新設予定の高校は「第2の国際高校」という噂もあったが、国際バカロレアの導入を都教委は否定している。
都教委では14年度から英語教育重点校を指定する制度をスタートさせて、英語教育を重視してきている。そういう重点校に、国際バカロレアコースを設けてもよさそうなものだが、「その予定はない」と都教委改革推進担当は言う。


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