だが、今回の選挙戦が玉城知事と古謝氏による事実上の一騎打ちであることは変わらない。自民党が8月15日と16日に行った調査では、玉城氏の得票率見込みが45.5%なのに対して、古謝氏が41.1%とその差を縮めつつあった。これに下地氏の6%が加われば、12年ぶりの県政奪還は可能だと同党は判断している。
「すでに自民党は、党本部から7人のスタッフを現地に派遣しており、勝つ気満々。西村選対委員長も週に一度は沖縄入りしていた」と、関係者は打ち明ける。西村氏も、下地氏が出馬表明した7月中旬から、古謝氏と下地氏の候補の一本化に向けて協議していたことを明かしている。
鈴木幹事長は、下地氏との面会直後に開かれた会見で、「沖縄県知事選はわが党にとって、各級選挙の中でもとくに重要な選挙だ。党の力を結集し、なんとしても勝利しなければならない」「古謝玄太候補の必勝に向け、できることはすべてやるとの決意で取り組んでまいりたい」と意気込んだ。
決して一枚岩とは言えない古謝陣営
実際に、今回の沖縄県知事選は年内に行われる最後の大規模選挙で、今年最大のクライマックスといえる。高市自民党がここで勝てば、伸び悩む内閣支持率が持ち直すきっかけになることが期待されている。
だが、現実はそう単純ではない。今年2月の衆院選で立憲民主党と公明党が合流して中道改革連合を結成したにもかかわらず、かえって得票数を減らしたように、下地氏の票がすべて古謝氏に流れるとは限らない。
42歳の古謝氏は、22年の参院選で沖縄選挙区に自民党から公認、公明党から推薦を受けて出馬し、27万1347票を獲得。だが、立憲民主党や日本共産党などが支持した伊波洋一参院議員に2888票の僅差で敗退した。
その後、那覇市の副市長に就任したが、政治手腕は未知数だ。8月20日に行われた動画での討論会では、下地氏が所得倍増を訴える古謝氏にその根拠を尋ね、回答に窮した古謝氏に対して「知事選に出て所得2倍と言っている人が、数字を持たないでこんなことを県民に話すこと自体がおかしい」と批判する一場面もあった。
そのわずか5日後には出馬を撤回し、古謝氏を応援することを表明したのだから、下地氏の支援者も混乱するだろう。下地氏の後援会長である當山護氏は記者会見を開き、「個人的には初心貫徹でいいのではないかと思った」と、記者団に複雑な心境を明かしている。


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