さらに衝撃を受けたのは自民党沖縄県連だ。下地氏の不出馬交渉は県連を飛び越えて行われたからだ。
前出の関係者も「かつて自民党所属だった下地氏は、普天間基地の辺野古移設に反対し、04年の参院選で自民党の対立候補を応援したことで、05年に自民党を離党。民主党の野田政権では郵政民営化担当相を務めた。そんな下地氏と手を組むことは、自民党沖縄県連にとってなかなか受け入れがたいだろう」と話す。
実際に衆院沖縄1区で下地氏と戦った自民党の國場幸之助衆院議員はさっそく、西村選対委員長に「地元を頭越しにする決定は認められない」と強く抗議した。自民党沖縄県連の西銘啓史郎幹事長は記者団に「いろいろな意見は出たが、1つになって頑張っていこうとの結論が出た」と語ったが、その表情は決して明るくなかった。
国政をも左右しかねない9月13日の開票結果
下地氏の突然の知事選不出馬には、さまざまな憶測が流れた。25日の党本部での面会には元宿仁事務総長の姿も見られたため、「資金の提示があったのでは」とささやかれた。
これについて26日の会見で記者から質問を受けた下地氏は、むっとした表情を浮かべたうえできっぱりと否定した。また、知事選を辞退した見返りに参院比例区あるいは衆院九州ブロックでの出馬が約束されたとの噂について、記者が「自民党に復党するのではないか」と質問したが、下地氏は「それはない」と答えた。
ただ、沖縄県知事選に懸けるものが大きい高市自民党にとって、下地氏の出馬辞退は大きな希望であることは間違いない。高市首相は8月24日に天理市の並河健市長と面談した際、「寝る前に奈良産の漢方を飲んで睡眠はとれている」と語ったが、眠れるようになったのはそればかりが要因ではないだろう。
9月13日に投開票される沖縄県知事選は、沖縄県民だけではなく、日本の政治を左右する。昨年10月の総裁選で高市首相にほほ笑んだ幸運の女神は、今年もまた勝利を運んでくれるだろうか。


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