例えば、もはや笑い話ですが、Webサイトの改善を提案したとき「Webサイトのトップページ上部にお問い合わせのボタンを置くと、営業色が強くなりすぎて、自社の高級なブランドイメージに傷がつく」などと真顔で反論されたことがあります。
顧客調査を一度でも見たことがあれば、ユーザがトップページのお問い合わせボタンから営業っぽさを感じることがないことも、Webサイトのデザインでちょっとカッコつけた程度ではブランドイメージに微風たりとも影響がないこともわかるはずです。
このように顧客視点を持たないチームは、各自の思い込みで自らの好みを押し通すことに躍起になっており、何が何でも「正解」を認めようとしないのです。デジタルマーケティング施策の多くは、顧客からのフィードバックが目に見えづらいため、何もせず自然にチームの方向性が是正されることはありません。
「社内調整」にネガティブな印象を持つ理由
「社内調整」という言葉には、どちらかといえばネガティブな印象を持つ人が多いのではないでしょうか? ネガティブな印象を持つ第1の理由は、これが本当に面倒な仕事だからです。
意見が異なる人たちと向き合い、相手を知り、仲良くなり、意見を伝え、妥協点を探し、有利な条件になるまで交渉を続けなければなりません。プライベートなら、意見の異なる人となんて、1秒でも一緒にいたくないと思う人もいるでしょう。
欧米的な価値観を持つ人なら、相手の意見を否定して徹底的に議論することをいとわないかもしれません。しかし日本人の多くからすれば、そもそも意見が異なる時点で、なるべく関わりたくないと思うのが本音でしょう。「社内調整」は時間がかかるのみならず、精神的にも多大なストレスを受ける人が少なくない仕事です。
第2の理由は、なかなか評価されない「地味」な仕事だからです。
社内調整をしている間、当然のことながら施策は前に進んでいません。連日の会議、飲み会、ゴルフなど、すべての地味なコミュニケーションが社内調整に必要なことだとしても、その時間が正当に評価されることは稀です。タフな社内調整を経て実現した成果を、調整してもらった側の部門が手柄として横取りすることも多々あります。
それにもかかわらず社内調整に奔走する担当者は、社内でも特に熱量と人徳を兼ね備えた「変わり者」であることが多く、彼らのボランティア精神によって会社が支えられていることが多くあります。


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